ステークホルダーダイアログ 2015年度

特集2 ステークホルダーダイアログ 地域社会と共生し、社会・生活インフラとして新たな価値を提供するファミリーマート

地域社会で、社会課題を解決しながら、より良い未来への貢献を目指すファミリーマート。新たな価値を提供する中で、ファミリーマートのCSRへの取り組みはどうあるべきか。グローバルCSRに精通している独立行政法人産業経済研究所コンサルティングフェローの藤井敏彦氏と、消費者課題の視点から企業にCSRなどのアドバイスや、消費者教育を行っているサスティナビリティ消費者会議代表の古谷由紀子氏のお二方をお招きし、当社CSR最高責任者である管理本部長の北村喜美男と新規事業開発本部長の玉巻裕章、そしてファシリテーターの立教大学経営学部教授でファミリーマート社外監査役の髙岡美佳氏と、「地域社会との共生とファミリーマートが果たすべき役割」についてダイアログを開催しました。
(2015年10月開催)

ステークホルダーダイアログ出席者

藤井 敏彦氏

藤井 敏彦氏

独立行政法人産業経済研究所 コンサルティングフェロー

古谷 由紀子氏

古谷 由紀子氏

サスティナビリティ消費者会議代表、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会常任顧問、経営倫理実践研究センターフェロー、CSRレビューフォーラム レビュアー

高岡 美佳氏

高岡 美佳氏

立教大学経営学部教授、株式会社ファミリーマート 社外監査役

玉巻 裕章

玉巻 裕章

株式会社ファミリーマート 取締役 常務執行役員 新規事業開発本部長

北村 喜美男

北村 喜美男

株式会社ファミリーマート 取締役 常務執行役員 管理本部長

5~10年後を見据え、お客さまの生活に寄り添い社会に貢献できるコンビニエンスストアを目指す。

高岡

ファミリーマートが今年掲げた“Fun & Fresh”という決意について、まずご説明いただけますでしょうか。

北村

私たちは、この2015年から中期経営計画を策定、それを“Fun & Fresh”に表わしました。
コンビニエンスストアが日本に展開しはじめた当初は店が24時間開いていて、家の近くにあって便利という時代(第1フェーズ)。続いてお店で売る商品の質や新しいサービスが付加されていった時代(第2フェーズ)。それに次ぐこれからの時代は、少子高齢化、単身所帯増加、女性の社会進出などが進む中、「顧客価値を創造」していく新たなコンビニエンスストア像を目指していきたいと考えています。それを第3フェーズとし、中期経営計画として表わしたもので、戦略テーマが“Fun & Fresh”です。商品の品質という意味での“Fresh”、ファミリーマートに行くといつも新しい発見が満ち溢れているというワクワク感の“Fun”。これを私たち本部だけでなく、加盟店の皆様やお取引先の全体が共通の軸を持って、お客さまの生活に寄り添いながら社会に貢献できるコンビニエンスストアを目指していきたいと考えています。

北村 喜美男

北村 喜美男

高岡

本業とCSRの関わりについてはいかがでしょうか?

北村

社会・生活インフラとして、消費者のニーズに応え、生活におけるさまざまな課題を解決することを念頭において事業活動を行い、その結果として、地域社会がより良い未来に向かって進んでいければ私たちとしても幸いと思っております。

玉巻

2015年10月21日は、「バック・トゥ・ザ・フューチャー Part2」の映画の中で、ちょうど30年後の未来にタイムスリップした日でした。その映画の中で、30年後の世の中が描かれていますが、立体的画像や大型の薄型テレビなど、そのほとんどが実現しています。それで5年後10年後に、どのような世の中になっているのか? どのようなニーズがあるのか? ということを考えながら、ファミリーマートをどう進化させていくか、ということを考えていきたいと思っています。

北村 喜美男

北村 喜美男

日本と欧米の顕著な違いは、その先に設定した将来像を本当に信じているかどうか。

藤井

単年度の計画と中期経営計画との違いは、中期経営計画にはバックキャスティング※が不可欠だということです。しかも、市場を予測するのは非常に難しいので、少子高齢化になるというように「社会がどう変わっていくか?」というところからバックキャスティングしていくことになります。これは日本と欧米、どこの国の企業も同じです。
しかし、私が見る限りですが、ここで顕著な違いがあります。それは、10年後でも5年後でも結構ですが、その先に設定した将来像を本当に信じているかどうかです。日本の多くの企業は、「バックキャスティングしなければ中期経営計画を作れない、だから何かとりあえず仮置きしよう、それは当たるも八卦当らぬも八卦だ」というパターンが多い。
それに対し、欧米では、将来像を本当に信じ込み、それを実現する使命感に転換します。それゆえそのための方法論が強固に出て来ます。これが日本の企業と欧米の企業との大きな違いです。
なぜ、そんなことを最初に申し上げたかといいますと、二つあります。一つ目は、その文脈の中で「CSRをどう考えるかと」いうことと、10年後の社会はこうなるに違いないという強固な出発点を持った時に、「社会課題をビジネスに取り込むということがどういう意味を持つのか」ということです。

※ バックキャスティング: 未来予測

欧米では、リテーラーがサプライヤーにレバレッジをきかせてCSRを推進する。

藤井

日本のメーカーの中で、CSRへの取り組みが一番遅かったのは自動車メーカーで、逆に一番早かったのは電機系のメーカーです。それはなぜか?それは、自動車メーカーは自分のディーラーで売りますが、電機メーカーはリテーラーで売るからです。要するに、CSRのプレッシャーはどこから来るかというとリテーラー側から来るため、電機系のメーカーが早かった。それに対して自分の流通網を持っていた自動車メーカーは、ある意味プレッシャーがなかなか来なかった分、遅かったということです。
裏返して言えば、欧米においてCSRの推進力はリテーラーです。しかも、リテーラーとして自分自身が何をやるかというCSRではなく、その中心は、自分たちが品揃えしているサプライヤーに何をやっていただくか、レバレッジ※をきかせるということです。

※ レバレッジ: 影響力、てこの力

藤井 敏彦氏

藤井

例えば、配送のトラックのタイヤを全部リトレットタイヤ※にしようと、ウォルマートなどのメガリテーラーが決めて、ルール化したとします。そうするとメガリテーラーが決めるサプライヤーに対するルールですから、社会的インパクトがものすごく大きくなる。児童労働の問題もそうでしたね。
欧米のCSRは、社会を変革する上で我々の世界から見えるより遥かに強力で、マグニチュードの大きいものとして起こります。それは、サプライチェーン全部を巻き込むことになります。その意味で、リテールは社会を変える力を持っているということです。
同じように、ファミリーマートも大きなレバレッジを持っているのではないでしょうか。CSRについて、自らをどう律するかということを超えた視点を持ち得ると思いますし、同業他社と一緒になって調達構造の構築や環境問題についても取り組むことができるのではないでしょうか。

※ リトレットタイヤ: 再生タイヤ

藤井 敏彦氏

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