株式会社ファミリーマート代表取締役社長上田準二から
定時新入社員へのメッセージ
2005年度入社式祝辞より抜粋（4月1日開催）

　134名の新入社員の皆さん、本日は入社おめでとうございます。企業の雇用環境は改善しつつあると言うものの、相変わらず今年も厳しい就職活動だったと思います。その厳しい関門を勝ち潜ってきた皆さんの顔付きを見ると精気がみなぎっており、非常に嬉しくもあり、頼もしくもあります。
　さあ、今日からが本当の「大人」「社会人」としての第１歩です。皆さんは、これまでは両親や親族、学校の先生、友人などに存分に庇護を受けて育ってきたはずです。自分を苦労人と自負している人もいるかもしれませんが、実社会で日々起こる戦いとは比べ様が無いでしょう。
　しかし、心配には及びません。皆さん自身の世界を『天動説』から『地動説』に変えれば良いのです。つまり、これまでは自分を中心として回りの人や環境が動いてくれていたわけですが、実業界に入ったら他人頼りではなく自らが積極的に行動を起こし、自己啓発を図りながら、良い風に乗って天空を飛び回ると言った気持ちを持つことです。
　さて、皆さんのプロフィールの中に、皆さんのモットー、抱負が書かれていました。そこに私の言いたいこと、心がけていることが全て載っていました。皆さんの上司となる幹部や、大人になりきってしまった役員達の青春をよみがえらせる意味でも、この場でその一部を披露し、実社会においてどう役立てられるかを簡単にお話しましょう。
『チャンスは今しかない』『乾坤一擲』『一日一生』『一球入魂全力投球』
『今しかできないことをする』
情熱を込めて日々取り組めば、同じ仕事の分量でも疲労感は軽減され、やれるだけやった、と思えば睡眠も深い。達成感も出ますし、明日への活力も沸いてきます。
『一期一会』
これからは、今までと違って緊張感のある付き合いが始まります。素晴らしい「一期一会」を得るには、まず“人を好きになること”。特に初対面の人には先入観を持たず相手を理解しようとすることが重要です。
『有言実行』『継続は力なり』
ファミリーマートは「戦闘力の強化」を合言葉に構造改革を推進中です。いかなる戦略、戦術も現場での「実行力・戦闘力」がなければ役に立ちません。いつも攻めていくという実行力と継続力がなければ勝負には勝てません。
『ありがとう』
ファミリーマートは「ホスピタリティ」が一番溢れているチェーンということを武器に勝ちぬいて行こうとご加盟店共々掛け声を上げています。お客様に「来ていただきありがとう」と心からの感謝とおもてなしの気持ちを表現するのですが、社員同士でも共に教えあい、切磋琢磨し「ありがとう」という感謝の気持ちを持ってください。さらに取引先、家庭、恋愛相手など全ての人に対しても、常に「ありがとう」という気持ちを持てる人であれば、仕事だけでなく私生活においてもうまく行くはずです。
『努力』『人事を尽して天命を待つ』『努力できることが才能だ』
『努力に勝る才能なし』『愚公山を移す』
たゆまぬ努力を続けていれば、いつかは大きな事業を成し遂げられるし、きっとどこかで誰かが見ていて、必ずスポットライトを浴びます。ファミリーマートは、そのような努力をした人、高い志を持った人を大いに引き上げ評価する人事制度にどんどん変えていきます。
『基本の上に応用が成り立つ』
ファミリーマートも「小売業の基本」であるＳ＆ＱＣをどこよりも徹底することを、全社を挙げて取り組んでいます。どんな壮大な戦略も、奇抜なアイディアも、お店の基本が出来ていなければ想定した結果は出ません。
『この目で確かめる』
過去のデータばかり見て、オフィスで観念的なことばかり言っていないで、実際の現場、店舗をよく見て何が問題なのか、どうしたら解決できるかを見極めて戦略を考えなければいけません。
『瑠璃も玻璃も磨けば光る』
皆さん大学受験で大変な苦労をされたと思いますが、実業界では大学卒業ということはあまり意味がありません。大多数が４年間で磨きをかけるどころか、青春を目一杯謳歌してきたでしょう。従って、誰が“瑠璃”で誰が“玻璃”なのかは今はわかりません。皆さんは今日から磨きのスタート台に横一線に立ちました。誰が将来輝くのか…皆さんで磨きあってください。
『竜驤虎視』
ファミリーマートは一昨年末にアジア１万店を達成し、昨年は中国・上海に進出、加えて今年夏にはアメリカ西海岸ロス周辺に出店を開始します。この「パン・パシフィック構想」の元、2008年度末にはグローバル２万店を達成するでしょう。そして2010年度頃には、ファミリーマートチェーンが世界最大規模になるかもしれません。竜のように世界を飛翔し、虎の目のごとく物事を見据える。大変結構です。
　ただ、忘れないで下さい。ファミリーマートチェーンの中心は日本にあります。この構想が成功するためにはファミリーマート・ジャパンがクオリティにおいて業界のリーディングカンパニーにならなければいけません。
　今日の入社式は、私を含め幹部社員・役員が皆さんの熱き思いを受け止め、一緒に初心に戻って戦いつづけようと、誓い合う良い機会でした。その意味で、「皆さんありがとう！」

この５つのテーマのもと、皆さん「元気」を出して、「勇気」を持って、「夢」の実現に向けて頑張っていきましょう。

以上

ニュースリリース2005年