あなたと、コンビに、FamilyMart

ステークホルダーダイアログ 2014年度

Theme03 経済成長による環境問題への対応は、グローバル企業の使命。海外における環境問題にも積極的に取り組む

河口

私が気になるのは、例えば食品容器やレジ袋など自然に分解しないプラスチックのゴミです。日本ではゴミの分別を比較的しっかりやる習慣と社会制度がありますが、海外では、まだゴミの分別について消費者と行政の対応が不十分な国も多いように感じます。コンビニは便利だけど町にゴミが増えるという問題はどう考えられますか?

小坂

一部の国ではレジ袋の有料化や使用禁止など日本より進んでいる所もあります。日本と違い、出口(消費者)で解決するのではなく、入口でやらせないようにするという発想の違いがあります。

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河口

日本のノウハウをその地域のルールや国民性に合わせて展開するというのが重要なんですね。

小坂

環境問題は経済発展に伴い必ず出てきます。幸いファミリーマートのパートナー企業は、環境問題に対する理解が非常に進んでいて、省エネに対してはとても熱心です。日本の新しい技術には関心を持ち、必ず見学に来ますしね。

河口

経済か環境かは議論の論点となりますが、水俣病など高度成長時代の日本の公害問題は、いくら経済が発展しても社会的には問題です。これから発展する途上国においても同様、E(環境)とS(社会)とG(ガバナンス)がちゃんとできてこその経済発展だという考え方に世界中が変わってきており、特に、フィリピンやインドネシアはこの考えは広がっていると思います。社会もよくて環境もよくて、その上で儲かるというモデルでないと、これからは支持されない時代となっています。

Theme04 ファミリーマートブランドを世界に浸透させる“人”の力を育てる

小河

海外における人財育成についての考えをお聞かせください。

小坂

パートナー企業とは、そのトップの方々が一同に会する 「FamilyMart Summit」を毎年開き、ファミリーマートブランドを共有する機会を設け価値観の共有化を図っています。今後は加盟店を巻き込んで各国のストアスタッフをどう育てていくかというのがファミリーマートの課題です。例えば、優秀な人たちを日本に呼んで勉強する場を与えるとか。直接的な経験でファミリーマートの価値観を共有していければと思っています。

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小河

中山社長の言われる次の世代のために「今、いい仕事をする」とは、儲かれば良いとか、法律さえ守っていれば良いということではなく、ファミリーマート基準で「これが良い仕事なのだ」ということを社員が常に考えるということだと思います。これは業績と社会的な意義を両立させるということと同義だと私は思っています。

小坂

コンビニエンスストアのビジネスは教育と仕組みのウエイトが大きく、人が一番大事なのは海外だろうと変わりません。だからこそ、そこにこれからどれだけ注力していくかが、世界で仕事をしていく上では大事だということです。
2014年3月はタイに研修センター(FamilyMart Academy)を開設しました。教育レベルなどについても試行錯誤しながら仕組みをつくり、沢山の社員を派遣し、海外勤務が当たり前のこととなるようにしたいと思います。
また、各社の人財交流にも取り組んでまいります。各国間で垣根を越えて行き来できる、動ける環境を構築し、各国のチェーン強化という観点から人財育成を進めていければと考えています。
本当に熱意を持った海外の若者に日本に来て勉強する機会を提供し、その知識や経験をファミリーマートで発揮することができるという環境も構築したいですね。未来を担う次世代を世界中で育てることが私たちには非常に重要なことだと思います。

Theme05 ビジネスパートナーとともに、「よい」仕事とは何かを模索し、ファミリーマートブランドを世界中に広めていく

河口

中山社長が「より良い生活を提供する」というお話をされていたのですが、「良い」というのは人によって違いますよね。これがグローバルとなると、国によっても全くその基準は違うと思います。

小坂

各国の状況が違うということを理解した上で、海外のパートナーと対話を重ね、一番「良い」ことをグローバルで推進していくことが我々の使命だと考えています。

河口

先ほどのお話から、ファミリーマートは合弁で海外事業を展開されているということで、海外のパートナーと対等に情報が行き来している感じがします。日本を本部として海外を支店とするピラミッド構造となると、ローカルな事情より日本本部の価値観が経営判断にも色濃く反映されるように見受けられますが、合弁となるとローカルなニーズに対して、日本初のノウハウを提供するという自然なビジネスモデルになるように思います。

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小坂

そうですね。日常的に密なやりとりをしているので、あまり大きな問題になる前に解決できているというのと、その国のことを十分に考えた上で結論を出すようにしています。

河口

それは素晴らしいですね。いろいろな都合の悪い情報も良い情報も、きちんとコミュニケーションがとれて、ローカルな課題は何かということが事前に打ち合わせされて、大問題になる前に手が打てる仕組みになっている。これは合弁という一言では伝わらない、こうしたパートナーとの関係がこれからの国際展開では重要ですね。

小河

将来的にもっとやってみたいとか、こんなことが必要となるのではないかということがあれば教えてください。

小坂

「安全・安心」な街づくりにも貢献していきたいと思っています。街のコンシェルジュという表現になるのでしょうか、そこに行って何かの情報を得たり、案内したり、その街のことを一番よく知っているのがコンビニエンスストアであるという存在になっていきたいですね。新しい街ができる際に、まずコンビニエンスストアがあって、その周りに住居などが建てられる。そんな事業を推進していこうと考えています。

河口

コンビニが街づくりの一つの中核になっているということで、今のお話はとてもよいお話だと思います。コンビニが社会・生活インフラとして、次のインフラを担う中心、リーダーとなっていけば、安全・安心な街づくりの中心としてコンビニの役割はより一層大きなものになっていくでしょう。
ぜひ、良い街づくりの中心から、いずれは良い国の象徴としてコンビニがある、という社会を構築していただきたいと思います。

FamilyMart Academy(タイ)

  • 海外で即戦力として活躍できる当社社員を育成するための研修拠点
  • 2014年3月 第1期生研修開始

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FamilyMart Academy(タイ)

ファミリーマートでは、各国に共通するブランディングとCSRへの取り組み推進のために、各社のトップが集まるサミットを毎年開催しています。
2013年度は「The 11th FamilyMart Summit 2013 TAIPEI 」を台湾・台北市にて開催しました。総勢79名の関係者が集まり、「グローバルファミリーマートブランド価値の向上」をメインテーマに活発な議論・意見交換が行われました。

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