あなたと、コンビに、FamilyMart

ステークホルダーダイアログ 2015年度

安全・安心の拠点、次世代育成、環境保全 ――地域社会との共生のための取り組み。

高岡

地域社会との共生のための取り組みについてはいかがでしょうか。

北村

個人の価値観の問題もあり深夜に働く人も増え、場合によっては暗い夜中に帰らなければならなくなります。そういう中で、コンビニエンスストアがあることで街の安全を保っているという側面もあります。ちなみに、日本の交番・駐在署・警察署の施設は全国で約1万4,000ヶ所ですが、コンビニエンスストアは約5万5,000店舗あります。実際のところATMを使った振り込め詐欺未然防止でもお役に立っています。安全・安心の拠点として平和な日本社会の一翼をコンビニエンスストアが担っているのではないかと考えています。
そして、私どもが特に力を入れているのは、次世代育成への取り組みです。7回目を迎えた「ありがとうの手紙コンテスト」や出前授業、店舗では「こども店長」、おむすび全品にベルマークをつけて教育設備支援にも取り組んでいます。
地域社会で店舗が拠点となり店頭募金、安全・安心な生活拠点づくりのセーフティステーション活動の取り組みも行っています。何よりもお客さまの身近なお店として災害が発生した際は、被災された方々の支援・生活物資の供給など、まさに社会・生活インフラとしてお役に立っています。

髙岡 美佳氏

髙岡 美佳氏

高岡

サプライチェーンに向けたレバレッジをきかせるようなエシカル調達※1やグリーン調達※2などの取り組みは行っていますか?

※1 エシカル調達: 倫理的調達

※2 グリーン調達: 環境負荷の少ない原材料の調達

北村

環境保全活動として、店舗でのCO2排出量の削減、マイバッグの推進など環境負荷の軽減に取り組んでいますが、レバレッジをきかせるというのは、まだまだ難しいですね。

藤井

1社では難しいのではないでしょうか。先ほど申し上げた、ルールをつくることも、同業他社と一緒に組んでやらないとできない問題だと思います。

髙岡 美佳氏

髙岡 美佳氏

CSRをどうとらえているのかを、もっと打ち出して欲しい。

古谷

お話を伺って、個々の取り組みはさまざまによくやっていただいているなと思いました。そしてその一方で、CSRをどう考えているのかということをもっと打ち出し、ファミリーマートならではの取り組みをやっていただきたいと思いました。それが場合によっては差別化にもなると思います。
また、地域の課題はコンビニエンスストア1社だけでは解決できないのではないかということです。なぜなら、その地域には色々なチェーンがあるわけですから。地域の高齢者の問題も共同で取り組むことで解決していくと思うので、その点については検討していいただきたいと思いました。

写真

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高岡

中期経営計画にCSRを入れている企業もあります。そういう点はいかがでしょうか?

古谷

経営計画の中にCSRをきちんと入れることで、もっとCSRが進展していくと思います。ただ、そこで注意しなければいけないのは、本業でやっていることをCSRだと考え、「我が社はCSR経営です」と入れ込んでしまうことです。本業は本業、CSRはCSR、ときちんと分けた上で、経営計画の中でしっかり打ち出してほしいと思います。

藤井

CSRをどう謳っているのかということに尽きると思います。
本業とCSRの話がありましたが、「豆乳CSR」という例えの言葉をご存知でしょうか?豆乳は体にいい。だから「体にいいものを一生懸命作ることこそ我が社のCSRだ」という論理です。分からなくもないのですが、豆乳メーカーは豆乳を作らなければ潰れるわけですから、そこでCSRと謳っても意味がないわけです。トートロジー※で、現状肯定以上のものはありません。
その意味で、CSRとは何かということを、きちんと定義した上で経営に取り組まれているのであれば、経営計画に入れる意味があると思います。

※ トートロジー: 同語反復

高岡

ファミリーマートは、2016年秋にはユニーグループ・ホールディングスとの経営統合を控えており、一層大きなチェーンとしての責任のもと、地域や消費者、社会のために何ができるか、それをもう一度考え直すいいチャンスが来ると思います。今日のお話を参考にしながら、いろいろ考えていただければと思います。ありがとうございました。

ダイアログを終えて

玉巻

今回の対話を通じて、私たちもトートロジーに陥っていなかったか見直していく必要があると思いました。また、ご指摘のあった「小売りとしてのレバレッジをきかす」という点につきましては大いに参考になりました。
アドバイスいただいたことを踏まえ、今後の新たな取り組みに活かしていきたいと思います。

北村

私たちファミリーマートは、2016年秋にはユニーグループ・ホールディングスとの経営統合を実現し、業界トップと肩を並べる企業になっていきます。今回いただきましたご意見を活かし、業界トップを目指す企業としての役割と責任を踏まえた中で、CSRをどう進めていくのか明確にし、レベルアップを図ってまいります。

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