ファミリーマートは、2025年3月24日(月)に国際オリンピック記念青少年総合センターにて開催された第23回「聞き書き甲子園フォーラム」に参加いたしました。
ファミリーマートはこの活動を2006年から「夢の掛け橋募金」を通じて応援しており、今年の聞き書き甲子園フォーラムでも「ファミリーマート特別賞」の表彰を行いましたので、お知らせいたします。
「聞き書き甲子園」とは、全国から選ばれた高校生が、「森・川・海の名人」を訪ね、聞き書きし、その成果を発信する活動です。
ファミリーマートは、「聞き書き甲子園」の取り組みを通じて、高校生たちが地域の名人と出会い、長年受け継がれてきた知恵や技、自然と共に生きる心を学ぶ貴重な機会を応援しています。名人たちが持つ知識や技術は、地域の宝であり、日本の文化や自然との共生の象徴です。
当社は、高校生たちが未来を担う世代として、地域の魅力や伝統を学び、記録し、次世代へとつないでいく活動に深く共感しています。この取り組みは、地域の活性化や伝統技術の保存だけでなく、若者たちの成長や健全育成にもつながる重要なプロジェクトです
第23回「聞き書き甲子園」では、高校2年生の中田 彩貴(なかた さき)さんの「天空の茶畑から、いいお茶を届けたい」にファミリーマート特別賞を授与しました。
中田さんの作品は、岡山県美作市でお茶栽培の名人の黒坂浩教さんを訪ね、黒坂さんがお父様から茶畑を引継ぎ、苦労されながらも他業態・他品種の農家さんと連携してパスタソースを作ったり、「天空の茶畑」という新たなお茶の楽しみ方の提案等、お茶の良さを多くの方に知っていただくためにさまざまなことに挑戦されていることが聞き書きによって良く伝わる内容となっています。
<ファミリーマート特別賞を受賞した中田彩貴氏のコメント>
「聞き書き甲子園」に参加して、全国の様々な高校生と交流ができたり、お茶について深く知ることができて、自分の視野が広がりました。
ファミリーマート特別賞を受賞するとともに、貴重な体験を積むことができ、嬉しく思います。
<中田さんが取材した名人黒坂浩教氏のコメント>
初めて「聞き書き甲子園」に参加しました。中田さんが熱心に聞いてくれたことで、これまでのお茶づくりを振り返るとともに、今後の活動を考える良い機会となりました。
■聞き書き甲子園受賞者一覧
【受賞作品】
【農林水産大臣賞】
〔作品名〕木造船に想いを乗せて
〔高校生〕小林 華音(東京都 大妻中野高等学校2年)
〔名 人〕番匠 光昭さん(富山県氷見市/船大工)
【文部科学大臣賞】
〔作品名〕そがなペースで編んでいく
〔高校生〕安住 愛華音(鳥取県立鳥取西高等学校2年)
〔名 人〕多久間 博子さん(岡山県真庭市(蒜山・湯原地域)/がま細工)
【環境大臣賞】
〔作品名〕だけぇ“興産”っていうの
〔高校生〕大塚 彩穂衣(宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校4年)
〔名 人〕甲斐 精二さん(熊本県山都町/林業)
【林野庁長官賞】
〔作品名〕自ら生み出し、伝えていく~死ぬまで続けたい漆器の仕事~
〔高校生〕伊藤 夏奈(広島県立広島高等学校2年)
〔名 人〕相澤 秀一さん(大分県日田市/漆器製造)
【ファミリーマート特別賞】
〔作品名〕天空の茶畑から、いいお茶を届けたい
〔高校生〕中田 彩貴(兵庫県 松蔭高等学校2年)
〔名 人〕黒坂 浩教さん(岡山県美作市/特産品づくり(お茶))
【審査員特別賞】
〔作品名〕原木シイタケの深み
〔高校生〕財川 蒼(栃木県立宇都宮白楊高等学校2年)
〔名 人〕六田 敏夫さん(富山県氷見市/原木しいたけ栽培)
【審査員特別賞】
〔作品名〕二足のわらじを履いて~過去を引き継ぎ、未来へ歩く~
〔高校生〕樋田 有理花(佐賀県 弘学館高等学校1年)
〔名 人〕東 常治さん(長崎県東彼杵町/漁業(塚漁))
【審査員特別賞】
〔作品名〕うちのが一番!誇りっちゅうんかな
〔高校生〕中川路 万緑(鹿児島市立鹿児島女子高等高校1年)
〔名 人〕中村 豊光さん(熊本県山都町/特産品づくり(柿栽培・巻柿))
【優秀写真賞】
〔作品名〕人鵜一体、紡ぐ鵜匠
〔高校生〕松岡 夏由(三重県立伊勢高等学校2年)
〔名 人〕足立 陽一郎さん(岐阜県関市/漁業(鵜匠))
<聞き書き甲子園実行委員会委員長 渋澤寿一氏のコメント>
林業や農業の現場で機械化が進み、技術や知恵の伝承が難しくなっているという課題の中、感覚的な技術や人柄、経験を伝えるには、直接話を聞くことが重要だと考えました。「聞き書き甲子園」は、アメリカの「フォックスファイヤー」を参考に、日本の自然の中で生きてきた人々の知恵を記録する活動としてスタートしました。
当初は全国の高校生がどれだけ聞き書きを完成させられるか不安でしたが、全員が作品を作り上げました。ある高校生は「尊敬するおじいちゃんに会い、作品にしないのは申し訳ない」と苦労しながらも聞き書きを完成させたと語り、「聞く」という本質が文字ではなく表情や間といった感覚的な部分も含むことに気づかされました。
AI時代において「聞く」ことが再び文字情報化しつつある中、この活動は創造力を育む貴重な機会として、これからも続いてほしいと願っています。
また、自然とのつながりを深めるこの活動を支援してくださったファミリーマートには心から感謝しています。東日本大震災の際、コンビニが地域社会のインフラとして大きな役割を果たしたことから、「聞き書き」の取り組みと、地域に根差した未来を目指すコンビニの姿勢が重なると感じました。ファミリーマートは、私たちが目指す未来を築く上で重要なパートナーです。
【プロフィール】
渋澤寿一(しぶさわじゅいち)
1952年、東京都生まれ。
「聞き書き甲子園」を主催するNPO法人共存の森ネットワーク理事長
以上