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障がいの有無に左右されない 誰もが活躍できる組織風土づくり

障がいの有無に左右されない 誰もが活躍できる組織風土づくり

障がいの有無に左右されない 誰もが活躍できる組織風土づくり

真の多様性と誰にとっても使いやすい店舗を目指して

「like Family」多様性をちからに。誰もが活き活きかがやく未来へ。

これはファミリーマートがダイバーシティを推進する上でのミッションです。誰にとっても使いやすい店舗を実現するには、誰もがかがやく組織風土づくりが欠かせません。「like Family」には家族のように多様性を受容し、互いに認め合い支え合う。そんな思いが込められています。

店長も期待を寄せる仕事熱心なファミペイマスター

渡辺清貴(2017年10月入社)

2022年2月より防衛省本省(東京都新宿区)内にあるファミリーマート直営店「ファミリーマート防衛省店」に勤務

「ファミリーマート防衛省店」では、ファミリーマートのバーコード決済機能付きアプリ「ファミペイ」の新規登録者獲得や利用推進の旗振り役として、ストアスタッフを引っ張るリーダーをファミペイマスターと呼んでいます。同店のファミペイマスターは、療育手帳をもつ渡辺清貴です。「渡辺くんは誰よりも熱心にお客さまへ声がけしていましたし、資料をよく読んで勉強しているので知識も豊富。彼が一番適任だと判断しました」と近藤店長(上写真・右)。知的障がいの方で複雑なレジの操作や接客が難しい場合は、清掃や品出し、コーヒーマシンのメンテナンスなどを担ってもらいますが、渡辺はそこからスタートし、今ではレジをメインに担当しています。持ち前の明るさでお客さまとのコミュニケーションも問題なく、顔なじみのお客さまと会話が弾むこともあるそう。今後は発注業務やストアスタッフの資格制度にも挑戦したいとさらなるステップアップを望んでおり、店長も応援しています。

お昼のピーク時には4~500名のお客さまが来店されるのでレジは大忙しですが、渡辺の一番好きな時間はピーク時。「たくさん買ってくれて嬉しい」と笑顔に

通路も広々とした店内。レジにいて時間があるときはカウンターフーズを調理したり、売り場を整えたり品出しを行っています

特別支援学校の卒業生ら46名が有機野菜を栽培

えかオーガニック農場(2006年~)

株式会社ECAが運営・管理する「えかオーガニック農場」(千葉県流山市)には、障がいのある46名のファミリーマート社員が在籍しています(2023年9月現在)。社員の多くは近隣の特別支援学校の卒業生で、ECAの農業指導のもと、農薬や化学肥料を使わない有機農法で有機野菜を栽培しています。2020年には労務管理を行う社員が農場に常駐し、彼らが安心して働ける環境づくりに努めています。

「店舗の営業やトレーナーをしてきたので、農場勤務になったときは正直戸惑いました」と話すのは、3年前に労務担当に抜擢された浅野隆です。社内でも前例のない業務だけに手探りでのスタートでしたが、彼らに寄り添い全力でサポートしてきた成果が、農場のアットホームな雰囲気や離職率の低さに現れています。

労務担当として農場に常駐する浅野隆。「トラブルが起きないように配慮しながら、得手不得手や制限があっても、みんながしっかり働けるように見守っています」

苗を植えているところ。えか農場では種から育てた自家製の苗を使用。作物の根元をビニールで覆うマルチングやトンネル設置などもみんなで手分けして行います

えか野菜は、流山市と松戸市のファミリーマート15店舗(2023年9月現在)で販売しているほか、近隣のカフェや精肉店の食材としても使われています。配送も農場スタッフの仕事です

袋詰め専用の部屋(出荷調整室)で、収穫した野菜を仕分けし、出荷の準備をしているところ。帽子・ビニール手袋の着用、会話・飲食の禁止などのルールがあります

本社開催のイベントで販売会を実施

ファミリーマートでは、2020年から社内イベントとして「障がいの理解と社員交流会」を開催しています。2023年8月30日に開催された6回目のイベントには、農場で働く5名の社員が参加し、恒例となっているえか野菜販売会を行いました。野菜を買いに来た社員に丹精込めて栽培した野菜をアピールし、直接会計を行うなど自ら接客し、積極的にコミュニケーションを図る姿が見られました。ここでは農場で働く2名の声を紹介します。

真柄俊郎(2013年7月入社)

ファミリーマートに入社して今年で10年。当初は障がい者枠で勤めることに抵抗がありましたが、今はカミングアウトされている方も多いですし、よい決断だったと思います。農場ではみんなのサポートや直売所のヘルプのほか、月1回配信する農場でのできごとをまとめた動画マガジンの制作などを担当しています。動画づくりが好きで自分から始めたことですが、そういった提案が通るのもモチベーションアップにつながっています。

石塚翼(2021年4月入社)

もともと野菜が好きだったことと、農場のアットホームな雰囲気が気に入り就職を希望しました。当時はコロナ禍で、今後どうなるか不安な時期だったので、内定をもらったときはほっとしました。農作業のほか、店舗への配送も担当しています。店舗では商品の陳列も行うので、手に取りたくなるような陳列を心掛けています。農業は自然現象との戦いです。今年の夏は特に暑さが厳しかったので野菜の生育にも影響がありました。暑い中での農作業は大変ですが、無農薬のおいしい野菜を作ることに喜びを感じています。

夢はすべてのストアスタッフに手話の挨拶を覚えてもらうこと

佐野敏勝(2006年10月入社)

本社総務部業務サポートグループに勤務。2023年3月から文京区にある文書室にて契約書類などの文書管理やスキャニング業務を担当(上写真・左が佐野)

障がい者活躍推進のため本社総務部に設置された業務サポートグループは、メール室業務や他部署から依頼されたデータ入力や集計、スキャニング業務などを行っています。所属する社員の障がいはさまざまであり、特性に合わせて担当業務を決めています。

聴覚に障がいのある佐野敏勝は、業務サポートグループの同僚に以前簡単な手話を教えたところ、みんなが覚えてくれ「おはよう」「お疲れさま」と手話で表現してくれるようになり、とても嬉しかったと言います。また、こんな嬉しいこともありました。店舗のレジで支払う際、カードで払うのかポイントを使うのかなどのやりとりで店員と意思疎通を図るのに時間がかかり困った経験を会社で話したところ、それがきっかけとなり、指をさしてコミュニケーションが図れる支援ツールがファミリーマート全店に設置されることになりました。これら「コミュニケーション支援ツール」の開発には佐野も加わり、佐野が窓口となってろうあのコミュニティの方の意見も取り入れました。「聴覚に障がいのある友人から、便利になったね、良かったなどと嬉しい声をいただきました」(佐野)。

プライベートで手話通訳者を育てる手話講師もしている佐野の夢は、ファミリーマートのすべてのストアスタッフが手話で挨拶をしてくれること。「ありがとう」「こんにちは」など、自然に手話が出てくるような社会にしたいと話します。

「コミュニケーション支援ツール(ボード)・(シート)」。聴覚・言語障がいの方だけでなく高齢の方などにも活用されています。お客さまや加盟店のご要望にお応えし、英語、中国語、韓国語も作成

佐野は主に午前中はポスティング業務が中心で、午後はスキャニング業務や契約書関係の書類整理を行っています。手話講師は週1回夜に地元の方に向け教えています

筆談用に持ち歩いている筆談ボード。オフィスではこの筆談ボードかパソコンチャットでコミュニケーションをとることが多いそう。手話ができる人とは手話で会話します

障がいの壁を感じないやさしい社会へ

ファミリーマートでは、障がいの有無に関わらず、誰もが活き活きと活躍できる組織風土づくりに取り組むと同時に、誰にとっても使いやすい店舗の実現にも力を入れています。そのひとつとして取り入れたのが、一般社団法人日本ユニバーサルマナー協会が認定する「ユニバーサルマナー検定3級」です。障がいのある方や高齢の方などへ接する際の適切な声がけやサポート方法を学ぶための研修で、2023年8月にはストアスタッフや新入社員の教育担当とお客様相談室の担当者が、翌9月には社長や取締役、執行役員で構成されるダイバーシティ推進委員会のメンバーと一部役員が受講しました。今後も理解を深める取り組みを継続し、ファミリーマートに関わるすべての方々にとってファミリーのように接し、人にやさしい社会を目指していきます。

お客様相談室

ファミリーマートの窓口として、お客さまからのお問い合わせやご相談、苦情などに対応

いい人でいたい願望と押し付けの親切で過剰な対応をしたり、忖度しすぎて行動に移せなかったりしますが、ユニバーサルマナー検定を受講して遠慮せずに声をかければいいと気づかされ、行動する前に相手の要望をうかがう声がけとコミュニケーションの重要性を実感しました。お客様相談室には、障がいのあるお客さまから直接、ご意見が寄せられることもあります。今回学んだ内容により、お客さまの目線や感覚などが、より具体的にイメージできるようになったので、さらにお客さまに寄り添った対応ができるように取り組んでいきます。

外舘豊和(1998年4月入社)

管理本部 人財開発部 社員基礎教育グループ
新入社員への基礎教育の設計と運用業務を担当

ユニバーサルマナー検定を受講したことで、私自身がユニバーサルマナーというものを学び、考えるきっかけになったので、新入社員にも同様にきっかけづくりをしていきたいです。ファミリーマートの理念を実現し、店舗のファンを増やすために大切な取り組みになるので、単に知見を深めるだけでなく、自然と仕事の中で意識し役立ててもらえるようなアプローチを考えていこうと思います。また訪店した際には積極的にコミュニケーション支援ツールの活用状況などをヒアリングし、そこから得た情報を新入社員全体に伝えていきます。

障がいを理解するための社内の取り組み

白杖を用いた点字ブロックの歩行体験では、前半は介添え者の肩や腕に手を置いて歩き、後半は一人で歩きます。社長の細見も自ら体験しました

これまでに車椅子体験や聴覚過敏体験、手話、点字作成などの体験型プログラムのほか、障がいのある社員と働き理解を深めるためのさまざまな取り組みを行っています

ファミリーマートらしさを大切にこれからも積極的に取り組みます

これまでも障がい者雇用の推進に取り組んできましたが、ダイバーシティ&インクルージョンの観点から、よりいっそう取り組みを強化し始めたのは2017年からです。以前は身体に障がいのある方の採用がメインでしたが、2017年以降は知的障がいの方や精神障がいの方も積極的に採用しています。障がいのある方が広く活躍できるように2019年に設置した「業務サポートグループ」には、社内の認知度も上がり、業務の依頼が増えています。業務サポートグループが業務の一部を請け負うことで、仕事を依頼してくれた部署は他の仕事に集中できるなど双方にメリットがあります。店舗業務に携わる方も今後増やしていきたいです。どの業務を担当いただくのがよいか、どんな配慮が必要かはひとり一人異なりますので、個別にヒアリングして丁寧な対応を心掛けています。

北原和佳

マーケティング本部 サステナビリティ推進部 ダイバーシティ推進グループマネジャー

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