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LGBTQ座談会vol.3LGBTQ座談会vol.3

LGBTQ座談会 vol.3

左から、ファミリーマート マーケティング本部 サステナビリティ推進部 ダイバーシティ推進グループ 北原和佳、Uさん(エルビアンTV)、浜崎たつやさん(2すとりーと)、中川未悠さん

like Family

ファミリーマートは、「like Family 多様性をちからに。誰もが活き活きかがやく未来へ。」のスローガンのもと、LGBTQに関しては「正しい知識と理解醸成」と「安心・安全な場作り」を2つの主軸として取り組みを進めています。
2022年7月に、同性パートナーに関する社内規定の改定を行い、同性パートナーがいる社員が法律上の配偶者と同様の社内制度や福利厚生を利用できるようになり、2023年4月には加盟要件を変更し、「事実婚」「同性パートナー」においても法律上の夫婦と同様に全ての契約タイプにて加盟申込みが可能になりました。

このたび、LGBTQ当事者として積極的に発信を続けている皆さんと座談会を開催。「正しい知識と理解醸成」をするとともに、「安心・安全な場作り」を行うため、企業としてどのようにサポートしていけば良いかなどについて話し合いました。

(LGBTQ座談会 vol.2はこちら

マーケティング本部への組織移管と発信方法について

北原:私たちは「サステナビリティ推進部」という部署に所属しているのですが、会社としてファミリーマートのサステナビリティの取り組みを、きちんと世の中に発信していきたいという方針のもと、今年度からマーケティング本部の配下になりました。
発信するプロとして、皆さんが工夫されていることを是非教えてください。

座談会の様子

中川さん:私は主にTikTokで発信しているんですが、15秒程度の限られた時間で伝えることは難しく、言葉のチョイス等で、時々、批判を浴びることがあります。
私のパートナーは元々女の子で、トランスジェンダー同士の夫婦なんです。なかなか世の中にはいない、みたいな感覚で見られる方が多いのですが、ただご飯を食べたり、メイクをしたり、皆さんがされていることを私たちも同じように発信することで、「この人たちって自分たちと何も変わらへんやん」と思っていただけるのが一番と考えながら発信しています。

北原:「LGBTQについて知りたい」と思って皆さんの配信コンテンツにたどり着くのではなく、「かわいいな」とか「カッコいいな」とか、そういうところから見始める人もいますよね。
YouTubeやSNSがない時代では、自分からこの情報を得たいという目的がないと知れなかったことが、身近になり、自然と理解できるようになったことは、すごいと思います。
Uさんもパートナーとの普段の生活の様子を発信されていますね。

座談会の様子

Uさん:私は「やり続ける」ことが大事かなって思っています。
正直私は、ファミリーマートがいろんな取り組みをしているなんて知らなかったんです。
ファミチキの袋とか、靴下とか、お店で見て「あ、レインボーだ」と思ったのですが、「これってLGBTQを応援してくれてるって意味なのかな?そうじゃないのかな?」と思っただけで、ちゃんと取り組んでいるという認識はなかったですね。
でも今日改めて知ることができました。そういう意味でも、「続けていく」ことで私みたいな人たちが増えていくのかなって思っています。

たつやさん:Uちゃんや中川さんのお二人はおそらく「変わったことをしよう」って思っていらっしゃらないと思うんですよね。お二人のようなありのままの姿を知って、理解してくれる人たちはたくさんいると思う。
まだまだ「固定概念」が強くて、例えば「新宿2丁目にいる人達ってみんな化粧してるんじゃない?」とか。
人から聞いたりインターネットで見たりするよりも、その場に行って、感じた方が手っ取り早くて、「自分でも何かできるんじゃないか」「こういうことに悩んでいるんだ」等と感じられるんじゃないかなって。
だから新宿2丁目や、LGBTQのイベントに直接「行ってほしい」と、いつも思っていますね。

発信する際に気を付けることについて

北原:ファミリーマートの公式SNSなどでも発信してきているのですが、先程中川さんがおっしゃられた通り、短い秒数で伝えることは難しく、特にSNSは一度炎上してしまうとネガティブな印象が残ってしまうという怖さがあって、とても慎重になってしまいます。
皆さんその点はどうお考えでしょうか。

座談会の様子

たつやさん:どうしても「当事者じゃない人が何言ってんだ」と思われることも多いと思うんですよね。私たちみたいな当事者と言われる人たちを通じて発信した方が、正しく嫌味もなく、伝えられるんじゃないかなと思います。

Uさん:当事者が日常生活で使っていて大丈夫な言葉であっても、当事者じゃない人たちが使ってたら、「差別的な言葉だ」と言われることってありますよね。

北原:誰を通して伝えるかも大事ということですね。

ファミリーマートが取り組むべきことへのアドバイスについて

北原:ファミリーマートにこんなことやってほしいという要望はありますか?

座談会の様子

中川さん:トランスジェンダーの場合、みんながみんな手術するわけじゃないんですけど、性別適合手術って、1ヶ月から2ヶ月間休養しないといけなかったりするんですよね。
もし手術をしたいと思っている方が、企業に勤めていればそんな長期間休みを取れないだろうなと思います。
私の周りだとそういう人は、カミングアウトして休みを取るより、転職しちゃったりするんです。
「ずっとその会社でいたい」という気持ちはあるんですけど、カミングアウトしたら受け入れられなかったりして。手術が終わって、別の企業で女性として再スタートしてるっていう人もいるんです。そういった方々も救っていただけるとすごく嬉しいですね。

Uさん:レジカウンターの上に液晶パネル(デジタルサイネージ)がついているお店がありますよね。その画面で、例えば「LGBTQそれぞれのカップルの愛の形」みたいな映像がさらっと流れているとかどうですか?
すごく人の目に留まるし、「ファミリーマートはそういう取り組みをちゃんとしてるのかな」というイメージにも繋がると思うんです。私、レジ待ちしているときに結構見てるんですよ。

中川さん:自然と目に入るよね。やっぱり自然に入る形っていうのが一番じゃないですか。いろんなカップルが登場するのはアリだと思う。

レジカウンターの上に液晶パネル(デジタルサイネージ)

北原:良いアイディアだと思います。店内のデジタルサイネージは目立ちますし、ファミリーマートは全国に店舗がありますので、前回、皆さんがおっしゃっていた、地方に住む方へのメッセージや勇気づけにもなるかもしれません。ファミリーマートの強みを生かせますね。

たつやさん:多くの人が利用するファミリーマートでそういった映像が流れていたら、心強いと思います。

中川さん:昔、自治体がつくる啓発動画に出演したんですが、ゲイやレズビアンのカップルが、「自分らしく生きよう」等と一言ずつメッセージを言う動画で、映画が始まる前に10秒ぐらい流れるんです。
映画が始まる前って、見る人は結構いらっしゃるじゃないですか。めちゃくちゃいいなと思いました。

伝え方・イメージについて

北原:私たちは、「ファミリー」が社名に入っている企業なので、同性のパートナーとその子どもという「家族」のイメージも打ち出せるといいなと思っています。

たつやさん:同性同士のマタニティフォトとか、私たちからすると「あっ同性カップルだ」って見て分かると思いますね。言葉で伝えるより、同性同士がキスしているような、具体的な映像の方がより明確だと思いますね。

「誰もが自分らしく生きられる世の中を願って」っていうキーワードの背景にある気持ちはとてもわかるんだけど、まだ弱いなって思う。もっと「やっちゃえ、ファミリーマート」って感じ。
発信するなら、もうちょっとインパクトがあったほうがいいんじゃないかなって思います。

北原:たしかに、インパクトは重要ですよね、参考になります。

座談会の様子

たつやさん:多分、「自分らしく生きる」って一番難しいことだと思う。人は誰かに支えられて、自分らしく生きられるんだと思うんですよね。
多様性って、「LGBTQを理解して受け入れましょう」という意味も、もちろんあると思うんですが、一方で「賛成の意見もあれば反対の意見もある」というのも多様性だと私は思っていて。だからこそ、どこの企業もいろいろチャレンジしてほしいなと思います。
「炎上するんじゃないか」「ネガティブに思われるんじゃないか」と思われるかもしれませんが、賛成も反対もそういうのが重なって、だんだん折り合いがついてくるし、それも含めて多様性なんだって思いますね。
同性同士でキスしているのを見て、「気持ち悪いな」と思う人もいれば「素敵だな」と思う人もいるし。「気持ち悪いな」と思うことも、悪いことではないと私は考えています。

最後に

北原:まだまだ話し足りないのですが、そろそろお時間がきてしまいました。
最後に伝えたいことはありますか?

たつやさん:本当に、「やっちゃえ。」って感じ。「やったもん勝ち」だと思ってる。

座談会の様子

中川さん:たつやさんの意見に賛成します。誰かが一歩踏み出すと、他の皆さんは、それと同じようなことをしますよね。でも、なんかそれって「後出しジャンケンやん」って、私は思うんです。いち早く、一歩先に踏み出していただけることを期待します。

北原:以前、渋谷駅に「そろそろNo.1を入れ替えよう。」っていう広告を出したんです。「お客さまにとってのNo.1を入れ替えよう」という意味だったのですが、すごく反響があって。それぐらい強いメッセージが必要ということですね。

たつやさん:「知ってもらうきっかけ」になるので、わざとらしくやっちゃってもいいなって思います。「後出しジャンケン」ではなくて恐れずに。
「大丈夫だよ。だってファミリーマートだもん」っていう(笑)

Uさん:今回、すごくいろんな良い取り組みをされていることがわかりました。
ファミリーマートは店舗がたくさんあるので、もっと活かせたらいいですよね。
誰もが目にするところにきっかけがあれば、「これって、もしかして」って、気付く人も増えると思います。
コンビニって、本当に多種多様な方が利用してると思うし、自然に入ってきますしね。

北原:皆さんからのアドバイスは、全国的に「もっと思い切って発信して」ってことですね。
本日は本当にありがとうございました。

U(エルビアンTV)

U(エルビアンTV)

女性同士のカップルYouTuber
レズビアンのUとパンセクシュアルのれーやんのほのぼのカップル
カップルの日常動画やセクマイ当事者カップルとの対談動画も人気のコンテンツ
2023年春にはパートナーシップ宣誓を行い、これからはふたりままとして新しいかぞくの形を築いていく
LGBTQ+の方に寄り添うおうち探しのサポートを行う「KATATI不動産」を運営

浜崎たつや(2すとりーと)

浜崎たつや(2すとりーと)

新宿二丁目発!元祖オネエYouTuber
元新宿二丁目ゲイバー店員の浜崎たつやとゆうきが様々なことに挑戦
LGBTQ+当事者のリアルな経験談が聞けるオネエ図鑑は人気のコンテンツ
2022年4月初書籍“オネエ図鑑”(主婦の友社)は全国の書店・電子書籍にて好評発売中

中川 未悠

中川 未悠

1995年、兵庫県生まれ
幼い頃から性別違和を感じており、2017年春に21歳で性別適合手術を受けた
その手術を受けるまでを記録したドキュメンタリー映画『女になる』が2017年秋に公開
ファッションに高い関心をもち、高校ではデザイン科アパレルコース、大学ではファションデザイン学科を専攻
現在は一般企業に勤めながら、パートナーと全国各地で講演活動、SNSで情報発信をしている

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