LGBTQ座談会 vol.2
左から、ファミリーマート マーケティング本部 サステナビリティ推進部 ダイバーシティ推進グループ 北原和佳、Uさん(エルビアンTV)、浜崎たつやさん(2すとりーと)、中川未悠さん
like Family
多様性をちからに。
誰もが活き活きかがやく未来へ。
ファミリーマートは、「like Family 多様性をちからに。誰もが活き活きかがやく未来へ。」のスローガンのもと、LGBTQに関しては「正しい知識と理解醸成」と「安心・安全な場作り」を2つの主軸として取り組みを進めています。
2022年7月に、同性パートナーに関する社内規定の改定を行い、同性パートナーがいる社員が法律上の配偶者と同様の社内制度や福利厚生を利用できるようになり、2023年4月には加盟要件を変更し、「事実婚」「同性パートナー」においても法律上の夫婦と同様に全ての契約タイプにて加盟申込みが可能になりました。
このたび、LGBTQ当事者として積極的に発信を続けている皆さんと座談会を開催。「正しい知識と理解醸成」をするとともに、「安心・安全な場作り」を行うため、企業としてどのようにサポートしていけば良いかなどについて話し合いました。
(LGBTQ座談会 vol.1はこちら)
ファミリーマート社内でカミングアウトする人の有無について
Uさん:ファミリーマートの社員でカミングアウトされたり、実際に同性パートナーのための社内制度を使ってる人はいらっしゃるんですか?
北原:ファミリーマートは6,000人近い社員がいるので、統計的(LGBTQは人口の約8%)にみるとLGBTQの方が何十人か働いていることになりますが、現時点ではカミングアウトして制度を使用している社員はいません。
カミングアウトを「する」か「しない」かは、個々の自由ですが、もし「カミングアウトしたいけどできない」環境があるとしたら、改善しないといけないと考えています。
現在ALLY活動などは積極的に取り組んでいますが、心理的安全性や安心・安全な職場作りに繋げるために当事者の立場からアドバイスをお願いします。
中川さん:私は、性別適合手術をして戸籍を変更してからは、特にもう周りにカミングアウトしなくても生きていけているので、「カミングアウトしない」人の気持ちもわかります。
一般の企業にも勤めていますが、自分のことをトランスジェンダーだと知ってる人も言っていない人もいて、バラバラなんですよね。
ただ、性別移行の時期に女性ホルモンを投与して、徐々に体つきが女の子っぽくなってた当時のアルバイト先等には、カミングアウトをせざるを得ない状態だったので、「女の子として生きたいから」と伝えることもありました。
今は、誰が見ても女性としか見えないと思うんですが、もうそうなってしまった自分としては、他人に言う必要はないかなって思うことはありますね。
たつやさん:私たちは、メディアとかYouTubeとかで発信している側だし、抵抗感なく言えるんだけど。
実際、多くの人たちは言えないというか、言う必要性もないとまで考えちゃう人たちもたくさんいらっしゃるんじゃないかな。
普段生活している限りでは、あえて言う必要もないことがたくさんあると思うんですが、結婚したいとか、パートナーシップ制度を使いたい時に、「僕はゲイです。男の人と結婚します」というのを会社に言えない人は多いかもしれないですね。
まず、ファミリーマートで誰か1人もしくは1組、LGBTQのカップルだったり、カミングアウトする人が生まれれば、広がると思うんですよね。
Uさん:そう、結構「第1号」ってめちゃめちゃ緊張する。
たつやさん:ねぇ、私たちがファミリーマートに入ればいいんじゃない?すぐ、「第1号」になれるわ。(笑)
「カミングアウトする人を増やそう」じゃなくて、これからファミリーマートを知ってくれる人たちや、これから入社する人たちに何ができるかっていうのを考えてみると良いかもしれませんね。
ファミリーマートがLGBTQに取り組むことになった経緯について
たつやさん:そもそも、何でファミリーマートが LGBTQをサポートしていこうと思ったのか聞きたいですね。
北原:一般的に企業で「ダイバーシティ」に取り組もうとすると、どの企業も最初は「女性活躍」に取り組むようなんですね。その後、「障がい者」や「外国籍」の方、「LGBTQ」の取り組みに広げていくことが多いです。
私たちもダイバーシティ推進は2017年から取り組んでいるのですが、 LGBTQに関しては2年後の2019年からスタートしています。
また、2021年の東京オリンピック開催も大きな理由の1つです。
オリンピックでは、LGBTQを含め全世界で「差別があってはならない」ことが重要視され、様々なお客さまが来店されるコンビニとしても、非常に重要なこととして受けとめたことがきっかけの一つとなりました。
Uさん:たしかに、あの時だいぶ社会の意識が変わりましたよね。
たつやさん:LGBTQといっても、それぞれ悩みも違うのかなと思います。ゲイの私からすると、トランスジェンダーの方の悩みはわからなかったりしますし。そもそも LGBTQ以外にも、アセクシュアルとか X ジェンダーとかいろいろあるじゃないですか。
トランスジェンダーはトランスジェンダー、ゲイはゲイ、レズビアンはレズビアン、アセクシュアルはアセクシュアルで、それぞれの深い気持ちまでは理解しにくい。LGBTQ以外の人から「ゲイが理解できない」と言われるのと同じような感覚なんだろうなと思います。
次回は、企業がどのように発信していけばいいのか、SNSで発信を続ける皆さんからいただいた具体的なアイディアをご紹介します。
(LGBTQ座談会 vol.3はこちら)