ファミマデータラボ

【ファミマルアイス】
フルーツで急成長?
~ 週末のご褒美から広がる楽しみ方 ~

公開日:2025年7月15日

※画像はイメージです

週末のご褒美だけでなく、様々なシーンで選ばれている人気の「ファミマルアイス」。ファミリーマートのアイス売上をけん引する存在となったファミマルアイスは、一体なぜこれほどまでに人気を獲得したのでしょうか?今回は、その理由をデータに基づいて詳しく探ります。

驚異的な成長カーブ

ファミマルアイスの成長率について、ファミリーマート全体のアイス売上と比較してみました。2020年度を基準値(100)とすると、2024年度にはファミリーマート全体のアイス売上が122%に成長。一方で、ファミマルアイスは147%と、全体の成長率を大きく上回る結果となっています。特に注目すべきは、まだ全体の売上が前年割れから完全には回復しきれていなかった2022年度。ファミマルはこの年にいち早くプラス成長(105%)に転じ、その後の力強い成長軌道のスタートとなりました。この成果は、単なるトレンドの影響ではなく、ファミマルアイス自体がファミリーマート内のアイス売上を力強くけん引した結果といえるでしょう。

成長のカギを握るアイスの種類

主役は「フルーツ」:4年で売上5倍の成長

種類別のデータを分析すると、特に目を引くのが「フルーツ系アイス」です。2024年度の売上は、2020年度比で5倍以上に拡大しており、ファミマルアイスの成長を大きくけん引しています。この成長の背景には、「罪悪感なくスイーツを楽しみたい」という健康志向や、「忙しい日常の中で、手軽に贅沢なひとときを味わいたい」というニーズがあると考えられます。こうしたトレンドを的確に捉えた商品展開が、フルーツ系アイスの成功を支えるカギとなったようです。

定番の安定感とバータイプの復活劇!

ファミマルアイスには、どんなときでも安心して手に取れる「王道アイス」があります。例えば、王道アイス売上1位の『でっかいバニラモナカ』や2位の『ワッフルコーン濃旨ミルクバニラ』など。どちらも「間違いなくおいしい!」と支持され続けている、まさに鉄板の存在です。これらの定番アイスが、ファミマルのブランドをしっかり支えています。
そして、見逃せないのがバータイプの復活劇!一時は売上が落ち込んでいたものの、2022年度以降に見事なV字回復を果たしました。『コクを味わうクッキー&クリームバー』(4位)など、複数の商品がトップ10入りを果たし、フルーツ系アイスに次ぐ注目の存在に。新しい味が続々登場し、「次はどれを試そう?」と楽しむ人が増えているようです。

王道アイス売上TOP10

1位でっかいバニラモナカ
2位ワッフルコーン濃旨ミルクバニラ
3位ぎっしり満足! チョコミント
4位コクを味わうクッキー&クリームバー
5位パリッと食感のチョコバニラバー
6位ぎっしりたっぷりアーモンドバー
7位北海道産練乳のいちご氷バー
8位ぎっしり満足! チョコチップ
9位たっぷりフルーツのしろくま
10位ソフトクリームバー メロン

週末と深夜の法則

ファミマルアイスの成長率を、曜日・時間帯のデータで見てみると、興味深い傾向が浮かび上がります。まず、曜日別の売上データでは、土曜日が157%とダントツのトップ。次いで金曜日(151%)、木曜日(147%)と、週末に近づくほど売上が伸びています。さらに、時間帯に注目すると、夜の21時以降の売上が急増していることが判明しました。特に、2020年度比で1.7倍から2倍に伸びており、深夜帯が新たな購入のピーク時間になっています。

エリア別に見る成長トレンド

三大都市圏がけん引する成長

エリア別の成長率では、関東(159%)、近畿(154%)、九州(156%)の三大都市圏およびその周辺エリアが全国平均を上回る記録をしています。

都道府県別ランキング:東京都が独走

さらに都道府県別のデータを見ると、東京都(176%)がトップを独走。次いで、宮崎県(167%)、京都府(166%)、佐賀県(164%)、福岡県(160%)といった地域が高い伸びを示しています。地方都市でも高い成長率が見られ、観光需要やインバウンド需要も売上を後押ししている可能性が窺えます。

アイスの購入は連鎖する?

リフト値(ある期間内に特定の商品を買った人が、別の商品も買う確率)を分析したところ、アイス購入者は次の買い物でも「アイス」を選ぶ傾向が高いことがわかりました。特に「フルーツ系」や「マルチパック」が連鎖しています。なぜアイスは連鎖的に購入されるのでしょうか?

  • バリエーションを楽しみたい心理: アイスはフレーバーや種類が豊富で、「次は別の味を試したい」という好奇心を刺激していると思われます。
  • ストック需要: マルチパックが多く選ばれる背景には、「家族でシェアしたい」や「自宅にストックしておきたい」というニーズが高そうです。
  • 満足感の継続: アイスは手軽に「ちょっとした満足感」を味わえるスイーツです。この特性から、一度購入すると「また食べたい」という気持ちが生まれやすく、次の購入につながると言えるでしょう。

エリア別リフト値TOP3

レジ横の誘惑:アイス好きの「ついで買い」に隠れたヒミツ

ファミチキとアイス:意外なコンビが織りなす「ご褒美ループ」

併買データが示すのは、ファミチキ(骨なし)とアイスクリームの強力な結びつきです。ジューシーなフライドチキンと冷たいアイスという一見対照的な組み合わせは、単なる偶然ではありません。これは、現代のコンビニ利用における新たな「ご褒美ループ」を浮き彫りにしています。
ファミチキの塩気とジューシーさで口を満たした後に、アイスのひんやりとした甘さでリセットする。そして、その甘さの余韻が消える前に、再びファミチキの香ばしい塩味が恋しくなる。この甘い⇔辛いの無限ループこそが、地域を超えて全国的に強く定着している購買行動の核心です。
このデータは、ファミリーマートが単なる購入場所ではなく、お客様の日常に溶け込み、「ちょっとした幸せ」や「気分転換」を提供する存在として認識されていることを示唆しています。ファミチキとアイスという意外な組み合わせが、この「甘辛ループ」を通して、抗いがたい満足感と、また次へと手が伸びる楽しみを提供している好例と言えるでしょう。

アイスとの併買商品(エリア別)

アイスと併買される意外な商品たち:地域で異なる「お供」の傾向

関東:アイスは晩酌のお供?

関東では、アイスクリームと共に「ファミマの牛乳」や「ロックアイス」が上位に。これは、アイスが牛乳と合わせてドリンクになったり、晩酌のクールダウンに使われたりと、リラックスタイムのお供になっている可能性を示唆しています。

九州:地元愛と地域密着の買い物

九州地方では、地元で愛される「ブラックモンブラン」や、日常使いの「青果(野菜)」がランクイン。ファミリーマートが単なるコンビニを超え、地域の食生活に根差した役割を担っていることがうかがえます。

東北・中国・四国:王道のおやつセット

東北、中国、四国では、アイスクリームと「コーラ※NB(メーカー商品)」が上位に。これは、冷たいアイスと炭酸飲料という、昔ながらの「おやつセット」としての需要がこれらの地域で根強いことを示しています。

ファミマルアイスが選ばれる理由

土曜の夜にちょっと贅沢なアイスを選び、家族や友人と分け合う。あるいは、自分だけのリフレッシュタイムにお気に入りのフレーバーを楽しむ。そんなふうに、ファミマルアイスは「ひとつ買えば満足」ではなく、「新しい楽しみ」を次々に生み出してくれる存在です。次の週末、あなたは「ご褒美アイス」に、何を選びますか?

出所:ファミリーマート全店POSデータ調べ

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