「冬のワンハンドグルメ王」として長年愛され続けてきた中華まん。しかし、うだるような暑さが続く昨今、その常識が変わりつつあることをご存知でしょうか。今回は、真夏に中華まんを買い求める人々を調査し、そのリアルな姿と、中華まんの新たな可能性に迫ってみました。見えてきたのは、「究極のワンハンドフード」としての、真夏の中華まんの実態でした。
※本調査は、昨年の夏(2024年8月~9月)にファミリーマートで中華まんを購入した顧客を対象にオンラインで実施され、有効回答数1,003件を基に分析しています。
真夏の中華まん、購入理由No.1は「小腹満たし」
夏の暑い日、なぜ人はアツアツの中華まんを手に取るのでしょうか。その最も多い理由は「小腹がすいた時のおやつ」。手軽なワンハンドフードならではの魅力です。一方、その一口はオフィスワーカーにとっての “夏の温活” であり、主婦・主夫にとっての “時短” という一面も・・

《会社員》が求めるのは「タイパ」と「温活」
会社員は「お昼ごはん(25%)」としての需要も高く、忙しい仕事の合間に時間を有効活用したいという「タイパ」意識がうかがえます。また、「冷房で体が冷えていて(14%)」という回答は、学生(9%)と比較して高く、クーラーが効いたオフィスで体を温める「温活」ニーズが顕著です。
《学生》は「あえてアツアツ」を楽しむ?
学生は「暑い中で熱いものを食べるのが逆に気持ちいい(9%)」と回答した割合が他の層より高く、夏ならではの刺激的な楽しみ方を実践しているようです。例えば、プールの帰り道。少し冷えた体に、アツアツの中華まんが染み渡る…そんな、夏だからこその至福の瞬間を楽しんでいるのかもしれません。もちろん「おやつ(68%)」としての需要が圧倒的で、限られたお小遣いの中で満足感を得たい「コスパ」意識も健在です。
《主婦・主夫》が求めるのは「時短」と「自分の時間」
主婦・主夫層は「お昼ごはん(28%)」としての利用が全属性の中で最も高く、日中の食事を手早く済ませたというニーズが強いようです。日々の食事準備の負担を軽減したいという「時短」の意向が考えられます。



主婦・主夫は昼休み、会社員は仕事終わり。中華まんが食べたくなる時間は?
夏に中華まんが食べたくなる時間帯は、全体で見ると「昼(10:00~16:00ごろ)」が32%でトップ。ランチやおやつに楽しむ事が多いようです。僅差で「夕方(16:00~18:00ごろ)」が29%と続き、仕事や学校帰りの小腹満たしとしての需要が高いことがわかります。さらに、属性別に見ていくと、それぞれの生活スタイルが見えてきました。

《主婦・主夫》のピークは、家族がいない「お昼」
主婦・主夫層では、実に半数以上(55%)が「昼」に食べたくなると回答。これは全属性の中でも突出して高い数値です。日中の時間帯に、手軽なランチとして中華まんが選ばれていることがわかります。
《会社員》は、仕事終わりの「夕方」に
会社員のピークは「夕方(30%)」。仕事が終わり、帰宅途中の小腹を満たす存在として、中華まんが活躍しているようです。次いで「夜(21%)」も高く、残業後の夜食や、帰宅してからの軽い食事としても需要があることがわかります。
《学生》は、夜型?「深夜」の需要も
学生は他の層と異なり、「昼」「夕方」「夜」に回答が分散し、特定のピークが見られませんでした。注目すべきは「深夜」の割合が14%と、会社員(5%)や主婦・主夫(0%)を大きく上回っている点です。勉強や趣味に打ち込む、夜更かしのお供としての可能性を示唆しています。

中華まんは、夏の救世主!データが示す「3つのうれしい価値」
「夏に中華まんを食べる最高に良いところは何か?」という回答結果から、夏にありがたい3つの価値が見えてきました。
【時短ご馳走】
「時短・手間なし」は夏に求められる魅力の第1位(22%)。 「暑くて料理したくない…」そんな日の救世主として、手軽にすぐ食べられるご馳走である点が評価されています。
【心と体の“回復力”】
僅差で2位につけたのは「夏バテ対策(21%)」。 食欲がない時でも手軽に栄養補給できる点が魅力のようです。さらに「冷房対策(14%)」も上位に入り、弱った体をケアする「セルフケア」の役割も担っていることがわかります。
【場所を選ばない“オールラウンダー”】
「お出かけの味方(17%)」としての魅力も高く評価されています。アウトドアやレジャーはもちろん、オフィスや移動中の車内など、場所を選ばない機動力は、まさに「ワンハンドフード」の真骨頂です。

中華まんの相棒ドリンク。定番の「お茶」か、シュワっと爽快な「炭酸」か?
アツアツの中華まんに合う最強の相棒ドリンクを聞いたところ、全体では「麦茶(22%)」と「ウーロン茶・ジャスミン茶(21%)」という、さっぱりとしたお茶系が僅差でトップ争いを繰り広げました。中華まんの味を邪魔せず、後味をすっきりさせてくれる点が支持されているようです。続いて「コーラなどの炭酸飲料(16%)」も人気で、シュワっとした爽快感との組み合わせを楽しむ人が多いことがわかりました。

しかし、この相棒選びも属性別に見ていくと、それぞれの好みやライフスタイルが色濃く反映された、興味深い結果となりました。
《会社員》は「ビール」で仕事終わりの一杯。
会社員は「ビール(13%)」を選ぶ割合が他の層より高く、仕事終わりのご褒美として、中華まんとの「おつかれ様セット」を楽しんでいる姿が目に浮かびます。
《学生》は「コーラ」がNo.1!
学生は「コーラなどの炭酸飲料(23%)」がトップに。他の層と比べても突出して高く、若者らしいジャンキーな組み合わせが好まれているようです。
《主婦・主夫》は「お茶」が鉄板。
主婦・主夫層では「麦茶(26%)」と「ウーロン茶・ジャスミン茶(23%)」で約半数を占め、お茶系の圧倒的な人気が示されました。食事や休憩のお供として、日頃から飲み慣れているお茶ならではの、ホッとできるひとときを大切にしているのかもしれません。

「中華まんの、ここが好き!」
そもそも、中華まんの魅力の源泉はどこにあるのでしょうか。夏の中華まんユーザーが最も愛するポイントは、「ゴロゴロ入った具材の食感(42%)」と「ふかふか、もちもち!皮の食感(42%)」が僅差で1位、2位を飾る結果に!食べ応えのある「具」と、それをふんわり包み込む「皮」とのバランスが多くの人を虜にしているようです。続いて「片手でパクリと食べられる、ちょうどいい手軽さ(34%)」が3位に入り、やはり「ワンハンド」であることの価値の高さが示されました。

「夏でも毎日食べたい!」王道の肉まん対決、勝者は?
数ある中華まんの中で、「夏でも毎日食べたい!」と支持されたのはどの商品だったのでしょうか。結果は、「極旨 黒豚まん(30%)」と「じゅわっとジューシー本格肉まん(28%)」の2大肉まんが3位以下を大きく引き離す、圧倒的な人気を見せつけました。この人気も属性別に見ていくと、さらに面白い傾向が見えてきます。

《会社員》は、ご褒美感のある「極旨」を支持。
仕事の合間に満足感を得たいというニーズからか、「極旨 黒豚まん」(30%)が堂々の1位に。
《学生》は、「定番」と「極旨」で票が割れる結果に。
「じゅわっとジューシー本格肉まん」と「極旨 黒豚まん」が同率(32%)でトップに。定番か、少し贅沢な極旨黒豚まんか。その日のお財布事情や気分に合わせて選んでいるのかもしれません。
《主婦・主夫》の選択基準は「自分の楽しみ」と「こどもの笑顔」?
「極旨 黒豚まん」(31%)がトップに立つ中、「のび~るチーズの濃厚ピザまん」(25%)も高い支持を獲得。自分のための少し贅沢な「ご馳走」と、おやつとしても楽しめる「ピザ味」という、異なる価値で商品を選んでいる可能性がうかがえます。

夏の中華まん勢力図:地域の特性
地域で見ても一番人気は王道の「肉まん」です。しかし、その地域ならではの好みもあるようで、特定の種類の中華まんの“構成比”が特に高い都道府県がありました。九州・沖縄ではピザ・カレーまんや甘いあんまん、西日本では肉まんの構成比が高いなど、気候や食文化によって好みが分かれる面白い結果となりました。みなさんの地域ならではの「中華まん愛」を探ってみるのも面白いかもしれませんね。
「肉まん」の
構成比が高いのは?
- 🥇富山県
- 🥈鳥取県
- 🥉愛知県
「ピザ・カレーまん」の
構成比が高いのは?
- 🥇佐賀県
- 🥈福島県
- 🥉沖縄県
「あんまん・デザートまん」の
構成比が高いのは?
- 🥇宮崎県
- 🥈鹿児島県
- 🥉山梨県
アレンジは無限大!「夏の中華まん」みんなの楽しみ方をのぞき見
🌶️ 王道の「ちょい足し」派
ポン酢と辛子で、さっぱりと!
黒豚まんに黒酢とねりからしを付けて。
🧀 進化系「チーズ&バター」派
チンする前に割って、中に折りたたんだとろけるチーズを挟んでから温める!とろ~っととろけるチーズが最高!
あんまんにバターを乗せて食べる。
肉まんに切れ込みを入れてマヨネーズとチーズをのせてホットサンドで焼き、酢醤油とラー油で食べる
🔥 カリカリ!「焼きアレンジ」派
ホットサンドメーカーでカリカリにするのが好きです
バーベキュー中華まん。アルミホイルに包んで網の上でじっくり焼く
🍦 ひんやり!「新感覚・冷やし」派
温かい肉まんを、あえて冷蔵庫に入れて冷たくして、『冷やし肉まん』として食べる!
あんまんを割り、バニラアイスを皿に載せておいて少し溶かしたものに浸けて食べます。
最後に・・・
今回の調査では、中華まんが多様化するライフスタイルに寄り添い、猛暑の季節から新たな価値を提供している姿が浮き彫りになりました。「小腹満たし」という手軽さを軸に、会社員の「温活」、主婦・主夫の「時短」、学生の「コスパ」といった、それぞれのニーズに応える柔軟性。それはまさに、場所や時間を選ばない「究極のワンハンドフード」としての実力と言えるでしょう。
定番の肉まん人気が揺るぎない一方、「冷やし中華まん」や「焼き中華まん」といった、消費者の自由な発想から生まれるアレンジの広がりも、今後の商品開発のヒントにもなりそうです。例えば、夏限定のスパイシーなフレーバーや、フルーツを使った冷たいデザート中華まんなども、新たな夏の定番になるかもしれませんね!
調査概要
- 調査期間:2025年7月4日~5日
- 調査対象:2024年8月 ~9月 にファミリーマートで中華まん類を購入した顧客
- 有効回答数:1003件
- 調査方法:オンラインアンケート
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