【しっとり芋】ブームの主役は若年層女性

~データで見る、お芋好きのリアル~

かつて「ホクホク」が主流だった焼き芋の世界に、「しっとり」「ねっとり」という新たな波が訪れて久しいですが、現代のお芋好きは、さつまいもに何を求めているのでしょうか。本レポートでは、食感や甘さの好み、人気の品種などを調査。データから見えてきたのは、「しっとり濃厚」というトレンドと、地域や世代によって異なる多様な楽しみ方でした。

※本調査は、2024年の「ファミマのお芋掘り」商品をリピート購入された「お芋好き」のファミペイ会員976名を対象にオンラインで実施したアンケートを基に分析しています。

※参考:2024年ファミマのお芋掘り売上ランキングTOP5

  1. 紅はるかのモンブラン
  2. 紅はるかのバスク風チーズケーキ
  3. さつまいもスティック6本入
  4. たべる牧場やきいも
  5. スイートポテトタルトデニッシュ

3人に1人は「一年中」食べたい


「一番食べたくなる季節は?」という質問には、半数以上が「秋」(52.2%)と回答。「さつまいもといえば秋」というイメージは、やはり根強いようです。 しかし、本当に注目したいのは次に多い「一年中」(35.3%)という回答。さすがは、さつまいも好きの皆さんです。およそ3人に1人が、季節を問わずさつまいもを求めていることが分かりました。もはや「秋の味覚」という枠を超え、年間を通して楽しむのがお芋好きのニュースタンダードになりつつあるのかもしれません。

一番さつまいもが食べたくなる季節

(単一回答)

🍠

「甘いもの欲」と「小腹」を満たす、王道の存在


では、季節を問わず食べたいという声もあるさつまいも商品ですが、具体的にどのようなシーンで求められているのでしょうか。最も多かったのは「甘いものが食べたくなった時」(57%)で、スイーツとしての確固たる地位を築いていることが分かります。 続くのが「小腹が空いた時」(38%)、「季節感を味わいたい時」(34%)、「ホッと一息つきたい時」(30%)。単なるスイーツとしてだけでなく、日常の間食や、季節を感じながら心を癒すご褒美としても愛されているようです。甘いもの欲と小腹を同時に満たしてくれる、まさに万能な存在と言えるでしょう。

さつまいも商品が食べたくなるシーン

(複数回答)


お芋好きの“あるある”行動、1位は「新作チェック」


さつまいも好きの皆さんの、普段の行動についても探ってみました。最も多くの共感を集めたのは「コンビニやスーパーでは、まず芋の新作をチェックする」(42%)。季節の変わり目には、どんな新しいお芋スイーツに出会えるか、つい期待してしまいますよね。

僅差で続いたのが「限定や希少品種など、特別な芋にはつい手が伸びる」(38%)。特別感のある言葉に弱いのも、お芋好きならではの性分かもしれません。あなたにも当てはまる「あるある」はありますか?

お芋好きの“あるある”行動は?

(複数回答)


お芋の好みは「しっとり」が圧勝!


さつまいも好きにとって永遠のテーマともいえる「しっとりVSホクホク論争」。今回のアンケートでは、回答者の実に7割が「しっとり派」(70.1%)と回答し、圧勝する結果となりました。 昔ながらの焼き芋を彷彿とさせる「ホクホク」も根強い人気がありますが、現代のトレンドは、スイーツのような滑らかな舌触りを持つ「しっとり」系にあることがうかがえます。

さつまいもの好みの食感

(単一回答)


「しっとり派」は女性と若者に多し!


「しっとり派」が優勢であることは分かりましたが、その内訳を詳しく見ていくと、さらに興味深い傾向が浮かび上がってきました。 性別で見ると、女性の「しっとり派」が72%であるのに対し、男性は65%とやや低め。年代別では、20代以下の79%をピークに、年代が上がるにつれて「ホクホク派」の割合が増加し、60代以上では40%に達します。どうやら「しっとり」としたスイーツのような食感は、特に女性や若い世代の心を掴んでいるようです

さつまいもの好みの食感

(単一回答)

しっとり派
ホクホク派

性別

年代別


地域で見る好み。「ホクホク」は西日本で人気?


全国的に「しっとり派」が優勢ですが、地域別に詳しく見ると面白い傾向が見えてきました。 「しっとり派」の割合が最も高かったのは北海道(83.3%)、次いで東北(79.7%)と、北日本で強い人気を誇ります。一方、「ホクホク派」の割合が最も高かったのは中国地方(41.9%)、次いで四国地方(40.0%)と、西日本で健闘しています。もしかすると、地域によって根付いている食文化やさつまいもの品種に違いがあるのかもしれません。

地域別の好みの食感

(単一回答)

しっとり派
ホクホク派

甘さの好みは「濃厚」が8割超え!


食感に続き、甘さの好みについても見ていくと、「濃厚な甘さ」を好む人が81%と、こちらも圧勝。多くの人が、さつまいもにはしっかりとした甘さを求めていることが分かります。

この傾向を食感の好みと掛け合わせてみると、さらに興味深いインサイトが浮かび上がります。「しっとり派」の86%が「濃厚な甘さ」を求める一方、「ホクホク派」では68%でした。両者とも過半数が濃厚な甘さを支持していますが、その割合には大きな差があります。

これは、「しっとり派」が蜜が滴るような、よりスイーツに近い濃厚な甘さを求めるのに対し、「ホクホク派」は素材そのものの風味を活かした、どこか素朴さも感じられるような優しい甘さを好む傾向にある、ということかもしれません。食感の好みによって、求められる「甘さの質」にも違いがある。これが現代のお芋好きの、より深いインサイトと言えそうです。

さつまいもの甘さの好み

(単一回答)

濃厚な甘さ
控えめな甘さ

食感別にみる、甘さの好み

(単一回答)


好きな品種、不動の1位は「安納芋」


続いて好きなさつまいもの品種を聞いた結果は、これまでの傾向を裏付けるものとなりました。 堂々の1位に輝いたのは、ねっとりとした食感と濃厚な甘さが特徴の「安納芋」。回答者の7割を占めた「しっとり派」のニーズと、全体の8割が求めた「濃厚な甘さ」に、まさしく合致する品種です。2位の「紅はるか」、3位の「シルクスイート」も同様に人気のしっとり系品種であり、上位は見事に独占される結果となりました。

しかし、エリア別に見てみると、その土地ならではの特色が見えてきます。例えば、徳島県産のブランド芋として名高い「鳴門金時」は、地元四国や近畿、中部といったエリアで根強い人気を誇り3位にランクイン。これは西日本で「ホクホク派」が健闘する結果とも繋がっているようです。また、東北で「紅はるか」が安納芋を抑えて1位となっているのも興味深い点です。今や全国区の人気を誇る『紅はるか』の美味しさが、東北の皆さんにも広く支持されていることが分かります。このように、地域で古くから愛される品種が強さを見せる一方で、全国的な人気品種が各地のランキングに影響を与えるなど、エリアごとの特色が色濃く反映される結果となりました。

好きなさつまいも品種ランキング

🥈
紅はるか
🥇
安納芋
🥉
シルク
スイート

エリア別ランキング

エリア 1位 2位 3位

94%が今年も食べたい!高まる期待と、お芋好きの本音


最後に、今年の秋にファミリーマートで食べてみたいお芋の商品について聞きました。結果、実に94.2%もの人が「食べたい」と回答し、秋のお芋のラインナップに絶大な期待が寄せられていることが分かります。 具体的に食べたい商品としては、王道の「スイートポテト」が72.4%と、驚異的な支持率でトップに。次いで「アイス」(38.1%)、「パウンドケーキ」(36.7%)と、こちらも定番スイーツが続きました。 お芋スイーツの代表格が改めてその人気を証明した形ですが、「蒸しパン」や「デニッシュ」といったパン類も3割を超える方が支持しており、幅広いカテゴリーでの商品展開が求められているようです。

今年食べたいさつまいも関連商品は?

(複数回答)

上記の他、お芋好きの熱い想い、いただきました!

🍠🍠🍠 いろんなお芋が食べたい!

「サツマイモパフェ。サツマイモプリン。サツマイモドリンク。サツマイモ牛乳。」

- 60代以上・男性

「ころじゃがのさつまいもバージョンや、コロッケなど、ホットスナックが欲しいです」

- 30代・女性

🍠🍠🍠🍠🍠🍠 もっと、たくさん食べたい!

「蒸しパンにゴロゴロ角切りの芋を入れて欲しい」

- 60代以上・女性

「チップスの大容量を出して欲しい」

- 40代・男性

🍠🍠🍠🍠🍠 🍠🍠🍠🍠 とにかく、ずっと食べたい!

「正直、期間限定と言わず常設してほしいと思っている」

- 20代以下・女性

「さつまいもフェアの時期を伸ばして欲しい」

- 20代以下・女性

今回の調査で、さつまいも好きの皆さんの深い愛情と、その楽しみ方の多様性が改めて浮き彫りになりました。

現代の主流が「しっとり派」であることは間違いありませんが、年代が上がるにつれて「ホクホク派」が増えるというデータには、少数派のホクホク派としては、ちょっぴり複雑な気持ちになってしまいました(笑)。しかしそれと同時に、「なるほど!」という納得感もあり、ここまで人気の「しっとり」スイーツの世界も改めて探求してみたい、という新たな扉が開いた気分です。

スイーツとして、あるいは小腹満たしとして、季節を問わずいつでもそばにいてほしい…。データから見えてきたのは、そんな皆さんのさつまいもへの熱い想いでした。これからも、さつまいもの奥深い世界から目が離せません。

【調査概要】

調査対象:2024年「ファミマのお芋掘り」対象商品購入者 976名

調査時期:2025年8月

調査方法:オンラインアンケート

ページトップへ