クリスマスは、一年の中でも特に人々の気持ちが高揚するイベントの1つですが、楽しみ方も時代と共に変化し多様化しています。今回の調査では、現代の消費者がクリスマスに何を求め、どのように計画しているかを深掘りしてみました。
「クリスマスはどのような日ですか?」という質問に対し、最も多くの人が回答したのは「ごちそうを食べる日」(45%)という結果でした。ケーキやチキン、少し贅沢な食事を楽しむ「食」のイベントとしての側面が、クリスマスの楽しみの中心にあることがわかります。
これに次いで「家族や友人との時間を大切にする日」(39%)が多く、豪華な食事を共に囲み、親しい人たちとの「団らん」を求める価値観がクリスマスのイメージであることがわかります。また、「ウキウキ・ワクワクする特別な日」(25%)という回答も多く、イベントとしての高揚感も依然として重要です。
クリスマスを「ごちそうを食べる日」と捉えている人が多い中、いつから飲食の計画を立てているのでしょうか。10月中旬時点に「クリスマスディナーやクリスマスケーキを食べる予定はありますか?」と聞いたところ「食べる予定がある」と回答した人は約半数を占めました。多くの人にとってクリスマスは、「計画的な食のイベント」として認識されているようです。
次いで多いのは「まだわからない」という回答で35%を占めました。この層は、日にちが近づくにつれて予定を決めていくと思われますが、その一方で、「食べる予定はない」と回答している人も16%存在しています。
「食べる予定はない」(16%)と回答した層に、その理由を尋ねたところ、最多回答は「特に祝う習慣がないから」で半数近くに上りました(43%)。次に多かったのは「仕事や家事などで忙しいから」(26%)、「一緒に過ごす人がいないから」(22%)です。
習慣が無いという事だけではなく、クリスマスは「食と団らん」の機会として機能しているため、時間に余裕が無いことや、相手が不在であることも、クリスマスディナーを食べない理由となっているようです。
対象:食べる予定はない層(16%)
一方で、「食べる予定はない」と回答した層も、約8割は「きっかけがあれば食べたい」と回答しています。そのきっかけとなるのは、「価格が手ごろなものを見かけたら」(32%)、「一緒に過ごす相手や機会があれば」(29%)が上位でした。
つまり、「食べる予定はない層」の多くは、計画性は低いものの「手軽に買える価格」と、「団らんの機会」があれば、クリスマスのごちそうを楽しみたいという意識があることが判りました。
対象:食べる予定はない層(16%)
「食べる予定がある」(49%)と回答した層に、誰とクリスマスの食卓を囲むのかを聞いたところ、最も多かったのは「恋人・パートナー」(61%)で、次いで「子ども・孫」(54%)が続く結果となりました。これら二つの回答が過半数を超えており、家族やパートナーなど、身近な人との団らんが主流であることがわかります。
一方で、「自分だけで」と回答した人が5%存在します。この層は、「誰と」ではなく「クリスマス」というイベントそのものを楽しむ計画をしている可能性があり、過ごし方の多様化を示唆しています。
対象:食べる予定がある層(49%)
クリスマスディナーを「いつ食べるか」という問いでは、平日であるのにも関わらず12月24日(水)が圧倒的な支持を集めました(62%)。
「当日食べる」と回答した層にその理由を尋ねたところ、最も多かったのは「クリスマスイブやクリスマス当日であることが大事だから」(63%)で圧倒的な多数を占めました。次に多かったのが「その日に祝うのが習慣だから」(37%)です。これらの結果から、多くの人にとってクリスマスディナーは「イベント当日」であることが「特別な意味」があり「長年の習慣」となっていることが判りました。
対象:食べる予定がある層(49%)
対象:24日・25日に食べると答えた層(79%)
クリスマスが平日(水・木曜日)である場合、商品購入や準備に対する意識はどのように変化するのでしょうか。クリスマスに購入を検討している商品の調査から、「平日でもごちそうは食べたい、でも手間はかけたくない」という消費者心理が明確になりました。
最も多くの回答を集めたのは「惣菜や出来合いのものを選びたくなる」(31%)、次いで「個食サイズの商品を選びたくなる」(26%)となりました。
平日で時間的な余裕が少ない中では、タイムパフォーマンスを重視しつつ「色々な種類を少しずつ楽しむ」という「Variety Seeking(多様性追求)」の心理が働いていることを示唆しています。これは、豪華な「ごちそう感」を、少量多品目で実現したいという現代的な志向を反映しているようです。
クリスマスの主役ともいえる「ケーキ」について、みなさんどのように計画しているのでしょうか?10月中旬時点での購入予定を聞いたところ、「まだ決めていない」(44%)が最も多くを占めましたが、「これから予約をする予定」(35%)と「すでに予約をした」(4%)を合わせ、約4割(39%)は「予約派」であることが分かりました。
ここからは、多くの人がクリスマスケーキは予約が必要と認識していることが窺えます。
「これから予約をする予定」「すでに予約をした」と答えた「予約派」(39%)に、当日購入ではなく予約を選ぶ理由を尋ねたところ、 最も高かったのは「食べたいものを確実に食べられるから」で58%。次いで「当日の混雑を避けたいから」が38%を占めました。
「ケーキ」というクリスマスイベントの主役を確実に且つ快適に準備したいという心理の表れと考えられます。また、「早割や特典があるから」(23%)も上位に入っており、お得なメリットも予約の動機付けになっているようです。
対象:予約派(39%)
クリスマスディナーとクリスマスケーキ、それぞれの予算を尋ねたところディナー、ケーキどちらも「3,000円~5,000円程度」が最も多く、2つを合わせると6,000~10,000円という結果でした。
ケーキは、予約派も多いことから予算が早期に固まりやすい傾向がありますが、ディナーについては、「まだ決まっていない」(19%)層も多く、予算配分も流動的な層も多いことが示唆されます。
全体(有効回答数 551件)
クリスマスの主役アイテムであるケーキを選ぶ際、消費者が最も重要視するポイントについて調査しました。
圧倒的な最多回答となったのは「味が美味しいもの/美味しそうなもの」(74%)でした。クリスマスケーキの選択においては「美味しさ」が最高の優先順位になっているようです。
「価格がお手頃なもの」(33%)や「見た目が好みなもの」(26%)も3割前後の結果となっていますが、「味」には大きく差をつけられています。クリスマスという大切なイベントにおいては、価格や見た目以上に「美味しさ」という本質的な価値を強く求めていることを示唆しています。
今年食べたいクリスマスケーキとして最も多くの支持を集めたのは「いちごのショートケーキ」(62%)でした。クリスマスという特別な日には、「王道の安心感」を求める傾向が強いようです。
ショートケーキが圧倒的な人気を誇る背景には、 日本のクリスマスにおいて、ショートケーキが長年にわたり「クリスマスケーキの象徴」として根付いていることや、シンプルだからこその「本質的な美味しさ」が求められているのかもしれません。
次いで「チョコレートケーキ」(36%)もかなり人気が高くなっています。お子様向けのものから本格的な大人の味わいのものまで、チョコレートケーキは幅広い選択肢があることも人気の要因かもしれません。
今回の調査結果から、現代のクリスマスは、「ごちそうを食べる日」という認識を中心に、「家族や友人との大切な団らん」を計画的に楽しむイベントであることがわかりました。
特に興味深いのは、クリスマスが平日にあたる場合でも「当日」を大切にする一方で、「手間をかけずに、豪華なごちそう感を実現したい」という現代的な合理性が見られた点です。
惣菜や個食サイズの商品への関心が高まっているのは、平日でも無理なく効率的に楽しみたいという人々の思いを反映していると言えるでしょう。
また、ケーキを予約する人が多いことからも、この特別な一日にかける期待の大きさが伝わってきます。
みなさんも、自分や大切な人に合ったそれぞれのスタイルで、心から「美味しい☆楽しい」と思える幸せなひとときをお過ごしください。
【調査概要】
調査対象:男女1,124名
調査期間:2025年 クリスマスシーズン前
調査方法:オンラインアンケート