人財育成の取り組み

基本的な考え方

企業が競争力を維持・強化し持続的な成長を実現するためには、社員の能力を高め、最大限に引き出すための計画的な育成プログラムの構築や、社員のキャリア開発支援に戦略的に取り組むことがこれまで以上に重要となっています。

また、社会や消費者ニーズの多様化をはじめ、業態の垣根を超えた競争環境の激化が進むコンビニエンスストア業界では、店舗や物流における人手不足は深刻化しており、優秀な人財の確保や離職予防の取り組みも企業の競争力を左右する重要な課題となっています。

ファミリーマートでは、人財の採用→育成→配置・異動→評価・処遇という人財マネジメントサイクルに沿って、多様な能力・専門性をもった人財が活躍し成長し続けることのできる制度や仕組みづくりを、持続的な成長を支える人財戦略と位置付けて進めています。

なかでも「人財の育成」については、自発的に学べる教育プログラムの充実を図り、意欲ある人財を伸ばす人づくりに取り組むことで、イノベーションや新たな価値創造を牽引することのできる人財の育成を実現します。

ファミリーマートが目指す人財戦略の全体像

ファミリーマートが目指すじんざい戦略の全体像を、採用→育成→配置・異動→評価・処遇という人材マネジメントサイクルに沿って図解しています。 まずは経営戦略に連動した全社の要員計画及び人材ポートフォリオ計画を立案します。 この計画に基づいて、必要な人材を確保するための採用・育成、人材ニーズに対応した最適な配置・異動、納得性が高く社員の育成につながる評価・報酬制度など一連の人材マネジメントサイクルを回します。 また、これらの人材マネジメントと連動し、重要ポジションの後継者管理を行うサクセッションプランニングや、退職者の兆候や要因を分析する退職管理も行います。

人財の採用

ファミリーマートは、大学生および大学院生を対象とした新卒採用活動を毎年実施しています。その活動では、新卒学生のキャリア教育を目的に、スーパーバイザーをはじめとする様々な職場体験や、社員との座談会などのワークショップを実施しています。ワークショップでは、各職種の業務に即して、課題解決や提案などグループワークの機会を提供しており、参加した学生からは、コンビニエンスストア業界の事情や業務に関する理解が深まったなど、好意的な意見や評価を数多く頂戴しています。2024年度は、合計108名(男性66名、女性42名)の新卒者を採用しました。

なお入社後は、業務スキルやノウハウを段階的に習得できるファミリーマート独自の基礎教育カリキュラムをもって、当社で活躍できる人財を目指した育成支援を行っています。24年度からは、これまで2年3か月であった基礎教育期間を標準1年間に短縮し、早期に活躍できる仕組みを構築しています。

  • 新入社員の育成においては、3つのSTEPがあり、入社時研修で基本理念と事業構造を学ぶとともに、社会人としての基礎を学びます。 その後は、事業の根幹である店舗において、実際の店舗運営と店舗経営を学び、地域のお客様ニーズへの対応を実践する事により、店舗の売上利益向上に取り組みます。 そのすべての期間において、育成担当者によるワンオンワンによる育成支援とフォローを実施しています。

  • 基礎教育期間は、多方面からの成長支援の体制をとっています。 普段の店舗経営については、スーパーバイザーからの指導を受けます。 合わせて、研修担当者により定期的な集合研修と成長支援ツールの提供、並びに社員育成トレーナーによる月2回以上のワンオンワンによる 成長支援とフォローを実施しています。

人財の育成

ファミリーマートでは、人財開発を強化するため、2019年度に組織改編をして人財開発部を創設し、教育体制を整備して独自の教育体系を構築し、社員の自律的なキャリア形成を支援しています。

具体的には、階層年代別の教育プログラムや、選抜された社員に施す次世代リーダー育成プログラムなどの全社研修に加え、部門ごとに必要な知識・スキル、専門性を身につけるための部門別・職種別研修を整備し、OJTとOff-JTを効果的に組み合わせることで計画的な人財の育成を進めています。

また、学習意欲の高い社員に向け、会社が受講費用の一部を負担するリスキリング支援制度を設け、自発的学習も支援しています。近年の小売業界の競争激化や社会・消費者のニーズの多様化を踏まえ、主体性と思考力を持つ「自律型人財」の育成を行っています。

当社では昇給・昇格時に必要な知識、スキルの習得を目的とした階層別プログラム、自律的キャリア開発を目的としたキャリアデザインプログラム、次世代リーダーの発掘・育成を目的とした選抜プログラムを全社育成プログラムとして整備しております。  併せて職種別の専門能力を高める部門別業務スキル研修や、当社社員として必要となる知識習得を目的とした全社eラーニング、自己啓発支援制度等も整備し教育プログラム全体を体系化しております。

キャリアカウンセリング室の創設

  • 2024年度からは、社内のキャリア自律を支援するために、新たにキャリアカウンセリング室を設置しました。
    これまで各年代向けに行われてきたキャリアプログラムに加えて、随時誰でも参加できるキャリアカウンセリングのサービスを提供しています。
    キャリアコンサルタントの国家資格を持つ社内の担当者が一人ひとりに合わせたサポートを行うことで、研修だけで終わらず、個々のキャリア自律をより具体的にサポートすることが可能になりました。

2024年度キャリアデザインプログラム概要図

DX人財育成プログラムの強化

  • 2023年度より開始したIT・デジタル人財の育成プログラムを、2024年度に強化再整備を実施しています。経済産業省の「デジタルスキル標準」に準拠し、全社員を対象とした基礎のDXリテラシー教育に始まり、ビジネスアーキテクト(社内業務の高度化)・データ活用人財・システム開発推進人財の育成体系を構築、レベルに併せた選抜研修を実施しております。

2024年度DX人財育成体系図

FM 未来リーダープログラム

  • ファミリーマート(FM)の将来を担う次世代経営人財の育成を目的として、「FM未来リーダープログラム」を実施しています。

    外部講師や経営者からの直接指導や経営課題について検討するグループワークなどを通じ、より広い視野を持つ人財の育成を目指すとともにリーダーとして活躍するために、自己のあり方を発見し揺るがない自らの軸を見出すことを目的とした、屋外でのワークショップ等での内省、自己探求などを行っています。また、2022年度からは、チェンジリーダーに必要な未来志向の発想力・着眼点を得る事を目的として、海外視察も実施しています。

    研修の最後には、経営層に対して、ファミリーマートの経営課題、自部門の変革プラン、リーダーシップ宣言を発表し、経営層とのダイアローグを行っています。

  • 屋外でのワークショップ

    屋外でのワークショップ
  • 細見社長とのダイアローグ

    細見社長とのダイアローグ
  • 海外視察(シンガポール)でのフィールドワークの様子

    海外視察(シンガポール)でのフィールドワークの様子
  • 変革プラン発表後の細見社長との集合写真

    変革プラン発表後の細見社長との集合写真

スーパーバイザー職の教育体系

ファミリーマートでは、スーパーバイザー業務を習得する期間としてスーパーバイザートレーニー期間を設け、スーパーバイザーとして活躍できる教育体制を整備しています。スーパーバイザーには全社研修に加えて、専門性を高める研修・検定を通じて、人財育成を行っています。

基礎教育期間を修了し、スーパーバイザー職に配属される前には、スーパーバイザートレーニー期間が設けられており、体系的に整備された教育プログラムに則って、本社教育部門による研修と育成担当を中心としたOJTとによって、実践的に業務を習得します。 スーパーバイザー配属後はケーススタディ、OJTでの経験学習を通じてスキルアップを図るとともに、役割ごとに必要な知識・スキルの習得に向けた研修や社内検定を実施し、成長を支援しております。

注)他職種についても専門人財育成に向けた教育体系を整備

高度専門人財(SP職)について

厳しい市場環境の中で持続的に成長していくためには、ビジネスが多角化・複雑化する中で新たな価値を創造することができる市場価値の高い専門人財を確保し活用していくことが不可欠です。

ファミリーマートでは、これらの高度専門職人財を適切に評価・処遇をするための制度を整備し、2020年度より運用しています。2023年度末現在のSP職の人数は、男性31名、女性3名となっています。

本制度により、当社の事業推進に欠かせない専門人財を適切に処遇し、採用競争力の向上・引き留め、およびパフォーマンスの最大化を実現していきます。 

  • SP職制度

    当社の事業推進に必要な高い専門知識・技能を持ち、その知識・技能に磨きをかけ当該分野でキャリアを積んでいくことで、組織の専門機能向上と全社業績に貢献できる人財を確保・活用するための制度です。

  • 処遇について

    一般の社員とは評価・報酬の軸を別で設定しています。

    適用職務ごとに職務記述書(ジョブディスクリプション)を作成し、それに基づいた業務遂行状況を判定し、処遇に反映しています。

  • 職務例

    ・データサイエンティスト

    ・リサーチャー

    ・クラウドエンジニア

    ・サイバーセキュリティ

    ・リーガルスペシャリスト

適正配置・定期的なローテーション

ファミリーマートでは、スーパーバイザーとして経験を積み重ねて管理職へと進むケースや、それぞれの部門においてスペシャリスト・管理職へ進むケースなど、定期的なローテーションと複線型のキャリアコース選択による多様なキャリアパス・職務経験の付与が可能です。なお、異動に関しては、本人の希望や適性、会社の状況などを総合的に判断し、会社の決定による適正配置を実施しています。

また、通常の社内公募制度に加え、優秀な社員の異動希望を優先的に叶えていくファミリーマート独自のキャリアポイント制度や自己申告制度を設け、社員の自律的なキャリア形成を積極的に支援しています。 

  • 自己申告制度

    本制度は、自分自身の中長期的なキャリアビジョンを上司との面談の中で、自発的に意思表示する制度です。

    キャリアビジョン実現に向けて必要な現状課題や必要な知識・行動を把握し自己成長につなげるだけでなく、現状の悩みなどについて上司との共通認識を持つ大切な機会にもなっています。

  • フォワードセッション

    本制度は、「組織成果の最大化」「人財育成への活用」を目的として目標管理を行っていくために、上司が部下と定期的に未来志向で話し合う場を持つ制度です。

    目標達成の確度を高め、成果に結び付けると同時に、社員に気づきを与え成長を促すことを狙いとしています。

  • キャリアポイント制度

    本制度は、定期異動において、優績な社員の希望をできるかぎり叶えるために制定された制度です。
    人事評価をポイント化し、一定以上のポイントを取得している社員は、自己申告の際に異動希望を提出することができます。異動希望先の部門責任者の選考などを経て採否が決まり、異動希望が採用されると人事異動に反映されます。

評価・処遇について

ファミリーマートでは、持続的な成長を実現するために必要な「改革を志し、変化に果敢に挑戦し、スピードを持って具体的に行動する人財」を求めています。

評価の対象となる業績は、社員が各自のミッションに基づいて具体的に行動した結果であり、『改革・挑戦』といった行動が企業の持続的な成長につながっていくと考えます。

したがって、ファミリーマートでは結果のみを評価するのではなく、社員各自のミッションを具体的な行動として表現した行動指標(コンピテンシー)と、その行動の結果である業績指標を分け、それぞれ「行動評価」「業績評価」として評価を行い処遇へ反映させることにより、メリハリがありかつ納得性の高い評価と処遇の実現を目指しています。

  • 行動評価

    業務におけるチャレンジ自体を評価し、失敗を許容し挑戦を促す企業カルチャーを醸成するため、業務上の課題遂行や対人対応等に加え、「挑戦」や「変化対応」等も評価項目になっています。

    また管理職の評価では、部下の指導・育成や、やる気を引き出し成長を支援することなどを重視します。

  • 業績評価

    経営計画に合わせた中期スパンでの達成を目指すチャレンジングな目標とするため、評価期間を1年間としています。

    また、メリハリある処遇を実現するため、各人の成果をきめ細かく賞与へ反映する仕組みとしています。

ファミリーマートの福利厚生

「FAMIMA LIFE PLUS (WELBOX)」

  • ファミリーマートでは、社員共済会を通じて、社員が安心して働ける環境の整備のため、病気や育児、介護、被災などで支援が必要な社員への精神的、経済的サポートを行っています。

    社員共済会員専用のポータルサイト「FAMIMA LIFE PLUS (WELBOX)」では、職場のコミュニケーションの活性化や、プライベートの充実のため、職場のメンバーや家族とも利用できる福利厚生メニューも提供しています。

  • ファミリーマートの福利厚生

  • 休日・休暇

    年間休日120日

    年次有給休暇

    永年勤続リフレッシュ休暇

    すくすく休暇

    配偶者出産休暇

  • 保険

    健康保険・介護保険

    厚生年金保険

    雇用保険

    労災保険

    社員共済保険

  • 福利厚生

    退職金

    確定拠出企業年金

    ファミリーマート共済会

    ファミリーマート従業員持株会

    伊藤忠グループ関連優待

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