経済のグローバル化やボーダレス化の進展に伴い、企業の調達活動は世界中に拡大し続けています。こうした拡がりは、地球規模での環境問題や貧困・格差、労働・人権問題など、様々な社会課題にも影響を与えています。サプライチェーンの拡大は企業競争力の向上のみならず、委託者側が調達先の企業倫理に反する行動への管理責任を問われるなど、大きなリスク要因ともなり得ます。こうした中、ISO26000やISO20400※などの国際規格の発行を受けて、企業には調達先との公正な取引を前提に、サプライチェーン全体で責任ある調達を着実に推し進めることが国際的に求められています。
多種多様な商品を扱うファミリーマートでも、安全・安心な商品をお客さまにお届けするためには、一層のサプライチェーン管理が重要であることを認識しています。また、人権や労働慣行、環境、腐敗防止などに関して、プラスの影響力を行使するなど、サプライチェーンをより高度に管理していくことが、ファミリーマートの社会的責任であると考えています。
※ ISO26000:組織の社会的責任に関する国際規格。 ISO20400:持続可能な調達に関する国際規格。
社会とともに持続的に成長し続けるためには、お取引先との信頼関係に基づく、強固な体制づくりが不可欠です。ファミリーマートは、お取引先との公正で透明な取引を通じて、長期にわたる良好なパートナーシップの確立・維持に努めます。
ファミリーマートは「サステナビリティ基本方針」、「サステナビリティ調達原則」、「サプライチェーン・サステナビリティ行動指針」、「ファミリーマート人権方針」に基づき、お取引先とともに持続可能な社会の形成に貢献するための取り組みを継続的に高度化していきます。
小売業が安全で安心な商品をお届けする上では、原材料の調達から生産、物流、販売の各段階において、総合的な視点に基づいた一元管理が重要です。
ファミリーマートは「サステナビリティ基本方針」に基づき、持続可能な社会の実現に向けてお取引先とともに社会的責任を果たすための「サステナビリティ調達原則」と「サプライチェーン・サステナビリティ行動指針」を制定しており、この中でお取引先との関係や取引の考え方について規定し、公平・公正な取引を通じて良好なパートナーシップの確立・維持を図っています。
つくられた商品の多くは毎日の生活に欠かせないものとなっているため、ファミリーマートでは、サプライチェーン全般にわたる徹底した品質基準のもと、品質管理の専門部署の設置や重大事故発生時の商品回収・販売継続判断のガイドラインを策定しています。
万が一その基準から逸脱するものが発生した場合は、店舗での販売を取りやめるなど、お客さまへの影響を最小限に抑える迅速な対応をするとともに、当該工場にはファミリーマートの品質管理、製造管理の専門部署より再発防止を指導し、改善の確認をしています。
また、サプライチェーン管理を通じて、お取引先で働く方々の満足度向上にも間接的に関与することで、ファミリーマートへの信頼をいただいています。
ファミリーマートでは、製造基盤・品質管理本部の製造基盤整備部が中心となり、オリジナルの商品である中食商品に関するサプライチェーンマネジメントの構築・改善を目的に、デイリーメーカー(中食商品の製造委託先)の稼働状況も含めた管理を行っています。
調達段階の管理は、伊藤忠商事のグループ会社であるジャパンフードサプライ(JFS)と連携し、システム上で原材料の表示やトレース管理を一元的に行い、副原材料まで参照可能な状態を確保しています。