2007年4月から定番サラダの容器に植物由来のバイオマスプラスチック(PLA)を使用しています。
PLA容器は、原料の植物が光合成する時に使うCO2と容器を処分する時のCO2がほぼ同じなため、実質的にこの容器を使用することによってCO2の量が増えることはありません。試算では、石油系プラスチック(A-PET容器)と比較して1年間で約2,400tのCO₂を抑制しています。
また、これに加えて、使用済みペットボトルを原料とした再生PET素材を冷やし麺の容器に使用するなど、さらなるCO2削減に取り組んでいます。
弁当類の容器包装は従来、全体をラップする「フルシュリンク包装」を採用していましたが、2014年2月より容器とフタの結合部分にのみフィルムを装着する「サイドシュリンク包装」の導入を開始し、2015年2月までに全面的に切り替えました。
これにより、プラスチック原料は年間541t削減、CO2は1,934t相当削減しています。(従来ラップフィルム対比)サイドシュリンク包装は商品が見やすく、お年寄りからこどもまで誰にでも開けやすい、というメリットもあります。
ファミリーマートでは、1998年度にCNG(圧縮天然ガス)車、2003年度からハイブリッド車と、コンビニエンスストア業界で先じて環境対応車両を導
入するなど、配送車両の低公害化に積極的に取り組んできました。
現在は車両の環境性能が大幅に向上したことから、燃費性能が良く、最新の排出ガス規制をクリアしたクリーンディーゼル車を全面的に採用・導入し、2023年には配送車をクリーンディーゼル車両に入れ替える計画を進めています。
また、さらなるGHGの排出削減に向けて、EV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)車両の導入も、充電時間や導入コストなどを考慮しながら検討を進めています。
ファミリーマートでは、牛乳・デザートなどのチルド商品(3℃~8℃管理)と、弁当・パンなどの定温商品(18℃~22℃管理)を同時に積載できる2室式冷蔵車を使用して、配送効率の向上と車両数の削減につとめています。また、商品の品質を適正な状態で維持しながら配送するために、定期的なメンテナンスを行い、常に車両をベストなコンディションに保つ仕組みを運用しています。
一般廃棄物・産業廃棄物の回収業務を廃棄物処理法に基づき正しく運用するために、廃棄物と廃食用油の回収業務を委託しているお取引先と、定期的に情報交換を行い、食品リサイクル取り組みの向上、店舗での運用課題の改善につなげています。
ファミリーマートは、温度帯別共同配送の仕組みを構築し、店舗への商品配送を効率化しています。複数の製造委託工場やメーカーで作られた商品は、一旦、物流センターに運び込まれます。物流センターでは、店舗ごとに一括配送することで車両数を削減しています。
店舗では、こまめなスイッチoff/onと定期的に什器のフィルター清掃を実施しています。店舗で出来る「節電10か条」をもとにコスト意識を持って取り組んでいます。
店舗インフラを活かし、事業活動と環境負荷低減の両立を実現する取り組みとして、店舗の屋根を有効活用した太陽光パネルを、2020年2月末時点で2,083店に設置し、発電した電力を売電しています。今後もクリーンエネルギー発電によるCO2排出量削減に取り組んでいきます。
2011年11月から店内照明のLED化を開始しています。さらに店内を5つのゾーンに分けてそれぞれのゾーンの明るさを自動調整する調光システムを導入しています。例えば、太陽光が入ってくると蛍光灯の照度を抑えたり、昼間と夜間で調節したり、きめ細かな調整を行うことで、快適さと省エネルギーの両立を図っています。
ファミリーマートは、2004年にコンビニエンスストアとしては初めて、LEDを採用したファサード看板を導入しました。以来、導入店舗数を増やすとともに、LED看板のさらなる省エネ化に向けて、技術開発と実証実験に取り組んでおり、現在では従来の蛍光灯看板に比べて約70%の省エネを実現しています。
駐車場照明は2013年2月からLED照明を導入しています。2008年から導入したセラミックハライドランプに比べ消費電力を245wから80wに削減でき、15,000時間から60,000時間と寿命も伸ばしています。
走行中にCO2を排出しない電気自動車は環境にやさしい自動車として注目され、年々増加していますが、充電場所が足りません。ファミリーマートは、充電切れの心配をせずに安心して電気自動車を利用できる環境を整えるため、店舗の駐車場に電気自動車用急速充電器の設置を進めてきました。
2020年2月末時点で、設置数は約700店にのぼります。
店舗で使用する冷蔵・冷凍・空調設備には代替フロンを使用しているため、フロンの大気放出防止等を目的に、法律に則った設備点検を実施しています。また、設備を廃棄する際には、フロン回収業者に処理を委託し、回収・破壊処理の徹底管理にも努めています。さらに、エネルギー起源CO2排出量の削減とフロン類の排出削減を同時に実現できる、CO2冷媒を使用した冷凍・冷蔵庫の導入を行っています。
温室効果ガスによる環境への負荷は、ファミリーマートが直接管理することができるものの他、原材料の調達、商品製造、物流、販売、廃棄、リサイクルまでのサプライチェーンにおける各段階に及んでいます。ファミリーマートはこれらの環境負荷を適切に評価するため、環境省の「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量の算定方法基本ガイドラインに関する業種別解説(小売業)Ver.1.0」にもとづいて、サプライチェーン全体におけるCO2排出量(Scope3)を算定しています。
今後もデータ収集の精度向上、算定範囲の拡大に取り組み、算定結果を分析して、サプライチェーン全体のCO2排出量削減に向けた取組みを推進していきます。
事業者自らの排出だけでなく、事業活動に関係するあらゆる排出を合計した排出量
Scope1
事業者自らの燃料の使用等による温室効果ガスの直接排出(社有車のガソリン使用等)
Scope2
他社から供給された電気等の使用等に伴う温室効果ガスの間接排出(本社、事務所、店舗の電気使用等)
Scope3
Scope1及びScope2以外の企業活動に伴う温室効果ガスの間接排出
単位:t-CO2
スコープ、カテゴリ | CO2排出量 | 比率 | |
---|---|---|---|
Scope.1 直接排出 | 44,646 | 0.64% | |
Scope.2 エネルギー起源の間接排出 | 1,139,491 | 16.27% | |
Scope.3 その他の間接排出 | 5,818,398 | 83.09% | |
Cate.1 購入した製品・サービス | 5,313,457 | 75.88% | |
Cate.2 資本財 | 88,269 | 1.26% | |
Cate.3 Scope.1,2 に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 | 89,202 | 1.27% | |
Cate.4 輸送、配送(上流) | 107,790 | 1.54% | |
Cate.5 事業から出る廃棄物 | 210,304 | 3.00% | |
Cate.6 出張 | 2,312 | 0.03% | |
Cate.7 雇用者の通勤 | 1,242 | 0.02% | |
Cate.11 販売した製品の使用 | 414 | 0.01% | |
Cate.12 販売した製品の廃棄 | 5,408 | 0.8% | |
合計 | 7,002,534 | 100.0% |
ファミリーマートはサプライチェーン排出量(スコープ1~3)の算出結果を正しく評価・検証するために第三者検証を受けています。2019年度における温室効果ガス排出量の検証を株式会社日本環境認証機構(JACO)に依頼した結果、サプライチェーン全体でのCO2排出量は、スコープ1が44,646t-CO2、スコープ2が1,139,491t-CO2、スコープ3が5,818,398t-CO2であることが認められました。第三者検証の結果を受けて、今後も公表数値の正確性と社内外からの信頼向上につなげる取組みを継続致します。
ファミリーマートが設定した温室効果ガス削減目標は、パリ協定の目指す「2℃目標」に対し、科学的根拠に基づいた「2℃を十分に下回る」目標として、「Science Based Targets(SBT)イニシアチブ」により認定されています。
※「SBTイニシアチブ」は、国際NGOのCDP、国連グローバル・コンパクト、WRI(世界資源研究所)、WFF(世界自然保護基金)による共同イニシアチブです。気候変動による世界の平均気温上昇を、産業革命前と比べ、最大でも2度未満に抑えるというパリ協定の目標に向けて、科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減目標(SBT)の設定を推進しています。
<認定された温室効果ガス削減の目標>
■Scope1+2 :2030年までに2018年比で30%削減
■Scope3 :2030年までに2018年比で15%削減
(注)Scope1:自社での燃料使用による直接排出量
Scope2:自社が購入した熱・電力の使用による間接排出量
Scope3:Scope1、2を除く企業活動のサプライチェーンの排出量
(当社の目標はカテゴリ1「購入した製品・サービス」が対象)