食品ロスと廃棄物への取り組み

基本的な考え方

世界では貧困や飢餓が存在する一方で、多くの食料が捨てられています。SDGs(持続可能な開発目標)の目標12では『つくる責任 つかう責任』として、店舗や消費者のもとで捨てられる食料を2030年までに半減させることが掲げられています。

食品ロスは環境の負荷になるだけでなく、廃棄に伴う分別や処分にかかるコストを増大させます。また、廃棄物の運搬によりCO₂も増加するなど、ファミリーマートの事業運営にも大きく影響します。

販売の主軸を食料品が占め、全店舗で約6万tの食品廃棄物が発生しているファミリーマートは、食品ロスの削減に向けた取り組みを重要課題の一つと位置付け、商品の発注精度向上や容器包装の改良などによるロングライフ化を進めることや、店舗で発生した食品ロスを再資源化することで持続可能な消費と生産パターンへの移行に貢献します。

ファミマecoビジョン2050に基づく目標

食品ロス削減

食品ロス削減(2018年対比)

203050%削減
205080%削減

取組内容

商品の発注精度の向上や容器包装の改良等によるロングライフ化を進めることで、食品ロスの削減を推進します。

発注した食品廃棄物は、食品リサイクルループなどの取り組みにより資源の有効活用につなげていきます。

商品による食品ロス抑制の取り組み

長持ちする商品の開発

食品ロス削減に向けた取り組みとして、サラダや惣菜の一部商品に特殊な包装技術であるガス置換包装を採用して、おいしさをそのままに消費期限を最大3日延長しました。容器内の空気をサラダや惣菜に適したガスに置き換え密封することで、消費期限の延長を実現したものです。

  • ガス置換包装の仕組み ガス置換包装は、容器の内部を真空状態にした後、 サラダや惣菜に最適な気体を注入してフィルムで 密封シールする仕組みです。

  • ガス置換包装商品の例

規格外の食材を使用した商品

これまで規格外で廃棄されていた食材をファミリーマートのオリジナル商品の原材料として使用しています。

多くのお客さまに手に取っていただけるようおいしさにこだわった商品を開発し、食品ロス削減に貢献できることを目指しています。

「もったいないバナナ※」を使用した商品

  • 2022年から、産地から日本に輸入される中で、おいしく食べられるにもかかわらず様々な理由からそのままでは廃棄になってしまうバナナ、「もったいないバナナ」※を有効活用した商品を販売しています。2024年8月には、ソフトアイスバー「ソフトクリームバー バナナ」を発売しました。

     

    ※株式会社ドールが取り組む、廃棄バナナを削減するSDGs活動「もったいないバナナ」プロジェクトを通じて原材料の供給を受けています。

  • ねっとり濃厚バナナ&ミルクバーとのむヨーグルトバナナ

サーモンの切れ端を有効活用

  • ファミリーマートで販売している「サーモンづくし」の、サーモンスライス製造工程で出た切れ端を有効活用した「サーモン三昧丼」を発売しました。サーモンの食感や味わいを存分に味わえるよう、サーモンのみで仕立てたサーモン三昧な海鮮丼です。

  • ねっとり濃厚バナナ&ミルクバーとのむヨーグルトバナナ

規格外野菜から作った野菜のシートを使用

  • 規格外野菜から作った野菜シートを海苔の代わりに使用した巻き寿司を、2024年2月に発売しました。

    味に問題がないのにも関わらず、大きさや形の規格を満たさないという理由だけで廃棄されてしまう野菜を有効活用しました。食品ロス削減だけでなく、農家支援や生産地支援にもつながります。

  • ねっとり濃厚バナナ&ミルクバーとのむヨーグルトバナナ

カカオの捨てられていた部分を有効活用

  • カカオはチョコレートの主要な原料ですが、実際にチョコレートに使用されるのはカカオ全体の30%に相当する豆(種子)の部分です。これまでは捨てられてしまうことが多かったカカオ果肉(カカオフルーツ)の果汁を有効活用したヨーグルト飲料、「のむヨーグルトカカオフルーツ」を2024年5月に発売しました。カカオの捨てられていた部分を有効活用することで、廃棄物を減らすとともにカカオ農家の収入アップにも貢献できます。

  • ねっとり濃厚バナナ&ミルクバーとのむヨーグルトバナナ

店舗による食品ロス抑制の取り組み

商品の発注精度向上

食品ロスの発生を抑制するために、店舗では日々の発注精度の向上に努め、販売期限切れによる食品廃棄の削減に取り組んでいます。

店舗値下(ファミマのエコ割)

  • おむすびや弁当などの中食商品を対象とした値下販売(ファミマのエコ割)を活用し、消費期限の近い食品の積極的な販売を推奨することで食品ロスの削減に取り組んでいます。

  • 値下げシール見本

てまえどり

  • 2022年10月より消費者庁、農林水産省、環境省の3省庁と一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会が連携し、お客さまに環境に配慮した購買行動を呼びかける「てまえどり」を実施しました。買ってすぐ食べるのであれば、商品棚の手前にある商品から積極的に選んでいただくことで食品ロスの削減につなげようとするものです。

  • すぐに食べるなら、手前を選ぶ。てまえどりにご協力ください。食品ロスゼロを目指して みんなで目指そう、地球にやさしいお買い物 消費者庁 農林水産省 環境省

食品廃棄物のリサイクル

食品廃棄物のリサイクルの取り組み

食品廃棄物の発生抑制に加えて、店舗から出る食品廃棄物(お弁当やおむすび、惣菜など)を飼料、肥料、メタンなどへリサイクルすることで、再び資源として活用する取り組みを行っています。

生ゴミ回収リサイクルシステムに対応できる廃棄物処理委託業者との取引についても、順次拡大しています。

  • 食品ざんさのリサイクル実施店の推移 食品ざんさのリサイクル実施店は、2021年度3,142店舗、2022年度3,309店舗、2023年度3,377店舗です。2023年度は2022年度より68店舗増加しています。

  • 食品ざんさのリサイクル比率 2024年2月末現在での食品ざんさのリサイクル比率は、メタンガス40%、飼料44%、肥料14%、炭化1%です。

  • 再生利用など実施率の推移 再生利用など実施率は、2021年度61.7%、2022年度68.5%、2023年度67.8%です。2023年度は2022年度より0.7ポイント下降しています。

食品リサイクルループの取り組み

  • 2008年に東京都内、神奈川県内の店舗などから排出される食品残渣を回収し、飼料工場を持つ養豚場に効率的に運搬。その飼料で飼育した豚を使った弁当や惣菜パンを製造、販売する食品リサイクルループを開始しました。

    その後、食品リサイクルループの取り組みを全国に拡大し、2024年8月現在、5地域での取り組みが「再生利用事業計画」※として認定されています。

     

    ※再生利用事業計画の認定制度は、食品リサイクル法に基づき食品廃棄物等の排出者(食品関連事業者)、特定肥飼料等の製造業者(再生利用事業者)およびその利用者(農林漁業者等)が、共同して再生利用についての計画を作成し、認定を受ける制度。ファミリーマートは、中食メーカー2社と飼料製造者・利用者2社と共に認定を受けている。

  • 食品リサイクルループの仕組み 食品リサイクルループは、回収した食品ざんさを堆肥や飼料に加工できる処理業者へ運搬し、処理業者が加工した堆肥や飼料を農業生産者が使用して農畜産物をつくり、その農畜産物を弁当などに使用して販売、消費者が買う仕組みです。

廃食用油リサイクル

ファミチキなどファミリーマートの店舗で販売する揚げ物を揚げた廃食用油は、行政から許可された廃食用油収集運搬業者が回収し、養鶏用飼料の添加剤やインク、石鹸などに100%リサイクルしています。

行政との取り組み

ファミリーマートは、2021年1月、佐賀県佐賀市と「環境に配慮した地域資源循環等の連携に関する協定」を締結しました。この協定は、佐賀市の地域資源を最大限に活用し、持続可能な循環型社会の構築を推進することを目的としています。

本協定に基づき、佐賀市内のファミリーマート店舗で発生した廃食用油を、佐賀市が回収し、高品質バイオディーゼル燃料(HiBD)に再生後、佐賀市営バスなどの燃料として使用する循環型リサイクルに取り組んでいます。

廃食用油回収店舗(2024年8月現在)

  • ファミリーマート佐賀川福町店 
  • ファミリーマート佐賀多布施店 
  • ファミリーマート佐賀鍋島四丁目店 
  • ファミリーマート佐賀鹿江店 
  • ファミリーマート佐賀富士店 
  • ファミリーマート佐賀西与賀店
  • ファミリーマート佐賀諸富店
  • ファミリーマート佐賀兵庫瓦町店
  • ファミリーマートうえむら病院店

地域資源循環(例) 佐賀市との取り組みは、佐賀市内にあるファミリーマート9店舗から出た廃食用油を佐賀市が回収して 高品質バイオディーゼル燃料に再生後、佐賀市営バスなどの燃料として使用する循環型リサイクルです。

第三者検証

ファミリーマートは廃棄物排出量データの公表にあたり、株式会社日本環境認証機構の第三者検証を受けています。2023年度においては、店舗から日常的に排出される廃棄物量が257,426t、うち食品廃棄物が52,873tであることが認められました。第三者検証の結果を受けて、今後も公表数値の正確性と社内外からの信頼向上につなげる取り組みを継続します。

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