地域社会のコミュニティ拠点となるコンビニエンスストアでは人と地域に寄り添いながら課題解決や交流促進に貢献することが、重要な責務の一つであると認識しています。
こどもが健やかに育つ環境の整備や、高齢者支援の充実だけでなく、独居高齢者や共働き家庭のこどもなどの「孤食」への対応や地域内での支え合いの輪の構築にも取り組んでいきます。
ファミマフードドライブとは、ご家庭にある食べきれない食品をファミリーマート店舗にお寄せいただき、地域でこども食堂やフードパントリーなどの活動に取り組むNPOや社会福祉協議会などの協力パートナーを通じて、支援が必要な方々にお届けする活動です。この取り組みを通じて、ご家庭にある食べきれない食品が活用され、地域の食支援及び食品ロスの削減につながります。また、全国に店舗があるファミリーマートを回収拠点とすることで、地域の皆さまが気軽に社会貢献活動に参加することができます。支援を受けられた方からは、「お菓子を頻繁に買う余裕がなかったり、物価高で食費を抑えてしまったりするので、食の支援をいただけることはありがたいです」等のお声をいただいております。
2023年度は、430団体とパートナーを組み、3,026店舗で活動を展開、寄贈量は開始後3年間累計で200トンを突破しました。
ファミマこども食堂は、地域のこどもたちと保護者を対象に、「参加者みんなで一緒に楽しく食事ができる場所」と「地域交流の機会」を提供することで、地域の活性化を応援する取り組みで、2019年4月より活動を開始し2024年6月末までに約600回開催、約6,500人にご参加いただきました。
店舗によっては食事のみでなく、レジ体験やお店の裏側を見学する体験など、楽しい食事と体験イベントを組み合わせたプログラムに取り組んでいます。
2023年度はJAグループ等とコラボイベント開催し、それぞれのアセットを活用したより良いプログラムを実現させています。
食事やイベントを通じて地域のお店の店長・スタッフとの交流だけでなく、参加者同士がコミュニケーションをとることができることから、地域内でのつながりを結ぶ場所として活用していただきたいと考えています。
参加者の皆さまからは、「楽しかった」「また参加したい」との声をいただいており、開催店舗を広げています。
こども食堂は、ずっと「食べられない子が行くところ」と誤解されてきました。しかし実際には、7割以上のこども食堂が参加者を限定しない形で運営されています。こうした中、多くの方々に親しまれているファミリーマートが、地域のつながりづくりをコンセプトにこども食堂を開催してくれたことは、こども食堂のイメージを正す大きなきっかけとなりました。
ファミリーマートにはこれからも、「人と人のつながりが実感できる地域づくり」をリードしていただきたいと期待しています。
また、こども食堂を通じた地域交流の活性化や社会課題解決に寄与するため、2021年2月からは、夢の掛け橋募金に「全国こども食堂支援センター・むすびえ」を追加していただきました。ファミリーマートを通じて頂戴したお客さまからの善意を、こども食堂とファミリーマートに共通する想い「隣にいる“あなたとコンビに”、つながりを感じられる“ファミリー”」へとつなげられるような活かし方を考えていきます。
ファミリーマートの地域活性化の取り組みは、SDGsが掲げる17のゴールそれぞれの符合という個別性を超えて、SDGsの根本理念・精神を活かすものと考えています。
店舗のイートインスペースを活用し、高齢者が抱える課題解決に協力するため、地域交流会「ファミマサークル」を行っています。お客さま同士のつながりの創出や、警察および自治体が取り組む“特殊詐欺の被害防止”“高齢者の運転免許自主返納”“フレイル(加齢に伴う心身の活力低下)予防”などの講習会を開催し、参加者同士や店長・ストアスタッフが意見交換しながら交流を深めています。
2020年からは新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、シニアの集まる地域のサロンと店舗をオンライン接続する「デジタルファミマサークル」を開催しています。
これからも、店舗がそれぞれの地域で暮らしに役立つ情報提供と地域交流の拠点となり、地域ぐるみで支え合うまちづくりを推進します。
ファミリーマートでは、地域の高齢化が進む中、シニア層が持つ知識や技術、そして働く意欲を活かす取り組みにも力を入れています。店舗では、雇用状況も踏まえながら、健康で元気なシニア層の方々を積極的に採用しており、長年その地域での暮らしから培った知恵や多くの経験を活かし、元気に働いていただいています。
また、シニアの方々が持つ地域の人々とのネットワークは、店舗とお客さまの強い信頼関係を生み出しているだけでなく、コミュニケーションを通した地域全体との太い絆づくりにも役立っています。
高齢化の進展とともに認知症患者数が増加しています。このため、厚生労働省では自治体と連携し、認知症を正しく理解し、患者支援の活動を行う「認知症サポーター」の養成に取り組んでいます。
ファミリーマートでは、認知症に対する正しい知識と理解を持って認知症患者やその家族の支援にあたり、かつその姿勢を店舗運営に活かすために、自治体の認知症サポーター養成講座への参加を推進するほか、キャラバン・メイトである社員から店長をはじめ、本部社員へも定期的な養成講座を開催しています。2023年度現在、4,119人が「認知症サポーター」を取得しました。
引き続き、認知症サポーター養成講座を実施し、取得者を増やす一方で自治体との連携を深め、安心して暮らしていけるまちづくりに貢献していきます。
ファミリーマートでは、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の一員として、2000年から地域の安全を守るセーフティステーション活動に取り組んでいます。
この活動は警察庁の呼びかけで始まったもので、国や自治体、地域の方々とも協力しながら、日頃からの防犯や防災、安全・安心への対策として、徘徊高齢者や女性・こどもなどの駆け込み対応はもとより、20歳未満者へのたばこ・酒類の販売禁止の徹底と、深夜時間帯での青少年に対する帰宅促しなども積極的に実施しています。
2023年度は、「特殊詐欺の被害未然防止対応」などで、JFAから合計447店が表彰されました。
JFA表彰店舗で実際に他の店舗の見本となる素晴らしい対応を行った店長やストアスタッフに対して、ファミリーマートでは社長名で感謝状を贈呈しています。
今後も「まちの安全・安心な拠点」として、地域に密着した店舗運営に取り組んでいきます。
2023年の対応状況
女性の駆け込み | 1,110店 | 1,589回以上 |
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こどもの駆け込み | 713店 | 1,055回以上 | 高齢者保護 | 2,647店 | 4,905回以上 | 特殊詐欺(振り込め詐欺等)の抑止 | 5,048店 | 深夜時間の青少年帰宅促し | 5,996店 |
◆セーフティステーション活動の代表的な事例
・お客さまの行動・言動に不審を感じ「お声がけ」をしたことにより、お客さまを特殊詐欺の被害から守った
・付きまとわれて困っていたストーカーから女性を一時的に保護した
・助けを求めて駆け込んできたこどもや迷子を保護・通報した
・認知症と思われる高齢者、体調不良の高齢者を保護・通報(家族へ連絡)した
・店舗近隣で発生した事故(交通事故・火災等)の適切な対応(交通整理・救助保護・通報等)を行った
ファミリーマートでは、20歳未満の方へ酒・たばこを販売しない取り組みを推進しています。2017年7月には、レジプログラムを変更し、レジで酒・たばこの商品をスキャンした際、音声ガイダンスと同時に、ストアスタッフ側・お客さま側のレジ画面にメッセージを表示することで、ストアスタッフへの注意喚起や、お客さまの年齢確認をしやすくしました。
ストアスタッフの採用時は、年齢確認を行うための研修を受けてから接客を行っており、そのほかにも、年2回定期的に「お酒・たばこ販売体制」に関する教育を、全店のストアスタッフに対し実施しています。
また、定期教育の受講完了記録のほか、法律に定められている酒類の売場表示や区分陳列が適正に行われているか、20歳未満の方の飲酒・喫煙を禁じるPOPや「年齢確認実施中」のポスターなどが設置されているかなどを、店長、スーパーバイザーが確認しています。
レジ画面メッセージ (お客さま側)
レジ画面メッセージ(ストアスタッフ側)